コンタクトアレルギーは「起こる」前に「治す」!こんな症状が出たらすぐに対処しよう

アレルギーと言えばアトピーや花粉症ですが、コンタクトレンズを使っていてもこのアレルギー反応を起こす人が少なくありません。

 

アレルギー症状の例にもれず最もはっきりとわかる症状は「かゆみ」ですが、それ以外に

  1. レンズが曇りやすい
  2. レンズがずれる
  3. 目ヤニが多くなった
  4. 目がごろごろする
  5. 軽いかゆみで目をこするとさらにかゆくなる

こんな症状を最近少し感じるようになったと思ったら、

それはコンタクトアレルギーを起こす前兆かもしれません。

 

前兆段階ではまだまだ生活に支障が出るほどとは言えず病院に行こうと思う人は少ないのですが、実はこの段階こそ一番治療を行いやすいタイミングでもあるのです。

アレルギーは放っておくと重症化して、いずれコンタクトレンズをつけていられない状態になってしまいます。
そうなると頻繁にコンタクトを使っている人ほど困ってしまいますよね。

なので、早め早めにアレルギー症状を抑えこんでいく方法を考えていきましょう。
ぜひこの記事を読んで、長く健康的にコンタクトレンズ生活を続けていけるようにして下さいね。

 

アレルギー反応の前兆を捉えよう

ほとんどの病気は、何の前兆反応もなく突然重症化したりはしません。

ですから意識さえしておけば、コンタクトレンズに対するアレルギーが強くなる前にその初期症状を捉えることは可能です。

アレルギー性結膜炎はこんな病気

皆さんも御存知の通り、身体の中に入ってくる異物に対して攻撃行動を取る免疫という防衛機能があります。
この免疫反応が、本来そこまで攻撃しなくても良い物質にも過剰に反応してしまうのがアレルギー症状の原因です。

コンタクトをつけていると、コンタクトに付着したほこりやカビ・ダニ、タンパク汚れが目の内側の白目付近やまぶたの裏側などを刺激して免疫反応を起こすことがあります。これがコンタクトアレルギーで、悪化するとまぶたのうらに細かなぶつぶつができて酷いかゆみを引き起こすんですね。

アレルギーは最初に異物(アレルゲン)が侵入した時に、それに対するIgE抗体が作られ体内の肥満細胞とくっつき準備が完了。その後またアレルゲンがやってくると、それに反応して身を守るために肥満細胞がヒスタミンを大量に放出します。このヒスタミンが炎症を引き起こし、かゆみや目の充血など私達が自覚する症状になっていくわけです。

つまり異物の侵入を繰り返し受けるほど、このアレルギー状態になる可能性が高まると言えます。

コンタクトって、繰り返し目に入る異物ですよね?
ですから、コンタクトレンズというのは潜在的にアレルギーを引き起こしやすい性質があるのかもしれません。

最悪の場合失明の可能性すらある病気ですから、コンタクトユーザーは注意を払うべきでしょう。

アレルギーは「悪化する」前に「抑え込む」

アレルギー症状が起こる前兆として見分けるポイントのひとつは、『今までになかった症状が出てきた』場合です。

レンズを変えたりしたわけでもないのに妙に目がむずむずし始めたり、冒頭で紹介した症状を最近感じるようになったなと思ったら要注意。ちょっと目がかゆいな、ちょっと目が赤いな…これが連続して続くようなら、決して放置してはなりません。

このときこそ、症状を抑え込む最大のチャンスです。

これを放っておくと、

  • アレルギー結膜炎の初期症状の炎症が起きる
  •  →目からの分泌物が増えて、レンズに付着する汚れが増える
  •  →その汚れに対してさらなる免疫反応が起こる

という負のスパイラルが発生して、いずれ取り返しのつかないことになってしまうわけです。

 

これを防ぐためにするべき事としては、

対処法(簡単な順に)

 ①(2週間タイプ等なら)汚れをチェックし、いつもよりしっかりと洗うようにする

 ②眼鏡を併用してコンタクト装用時間を減らす

 ③ワンデータイプに変えてみる

 ④医者にかかる

①~③でわかるように、重要なのは「汚れた状態のレンズをつけている状態」を可能な限り減らすことです。

洗浄時はこすり洗いを念入りにして、レンズ曇りが多いならタンパク汚れが残っている可能性が高いので、洗浄液に加えてタンパク質除去剤を使用しましょう。
また、自宅に戻ったらすぐにレンズを外すクセをつけて、休日など必要が少ない時にはなるべく眼鏡で過ごすと目の負担は少ないです。
使うレンズも、必ずしもワンデーとは言いませんが、今使っているのが長期装用レンズなら一ヶ月タイプにしてみる、一ヶ月なら2週間タイプにしてみる、2週間でも症状が出るならワンデーを試してみる。こんな感じで現在の状況から少しでもアレルゲンを減らす努力をするのが肝心になるかと思います。

コスト面が気になるなら、最近流行りの「メルスプラン」を始めとしたコンタクト定額サービスなどはどうでしょうか。
これはレンズを多めに注文・消費しても毎月の支払額が変わらないサービスなので、アレルギー対策としてレンズを次々交換するやり方を取るなら非常にマッチしたプランだと言えます。

 

コンタクトアレルギーになってしまったら

コンタクトが二度とつけられなくなるわけではない

慢性的なアレルギー症状を持つようになると、病院からコンタクトレンズの使用を控えるように言われるかもしれません。しかしこれは、今後ずっとコンタクトの装用を諦めなければいけないというわけではないので安心しましょう。

アレルギー治療は眼科医の指導のもと適切な点眼や投薬などを行うわけですが、この時早期の回復を促すのに一時的にレンズ使用を中断する方が効果が高いためです。
しかしこれは早期に対処できればさほど長い期間に及ぶことは少なく、早ければ1週間~1ヶ月程度のもの。症状がかなり軽いうちならレンズを使いながらの治療でもOKとなる場合もあり、そこまで心配するものではありません。ただし完全に結膜炎を発症してしまったり花粉由来のアレルギーであったりすると数ヶ月に及ぶことはあります。

むしろ一旦使用を中止してくださいと言われるのが嫌でなかなか病院に行かない人がいますが、それこそ症状の重篤化を招き、最終的に全くレンズが付けられないなんてことにもなってしまうのでオススメ致しません。

抗アレルギー点眼薬も、かゆくなる前に行う

眼科医でアレルギー性結膜炎と診断されたなら、まず処方されるのが抗アレルギー点眼薬。
アレジオン点眼薬などが有名ですが、この使い方で大事なことがひとつあります。

それは、
治療中は症状が出ていない日があっても処方どおりに点眼すること。

普通の目薬だと、目が乾いてきたら点眼する、目が疲れてきたから点眼する、といったイメージを持つ方がいるかもしれません。しかし現代のアレルギー治療は症状が出る前に抑えるが基本なので、調子の良い日も悪い日も、ある程度等しく用法用量通りに点眼を行ってほしい。
一日4回、数滴ずつと書かれているならその通りに行うのです。

アレルギーは発生してしまってから抑えるほうが時間もかかる労力も身体への負担も大きいので、症状を出さないままできるだけ治してしまえということですね。

 

また、2019年に参天製薬株式会社が行った調査があります。

『季節性アレルギー性結膜炎患者に対するWebアンケートを用いた点眼実態調査』

試験内容:点眼遵守状況及び背景要因
点眼遵守状況による治療満足度及びQOLへの影響

結果:QOL平均合計スコアに関して、用法遵守群の方が用法逸脱群に対して有意に低値を示した

これはつまり、用法を守って点眼をした人達(用法遵守群)のほうが用法を守らずかゆくなったときのみ点眼した人達(用法逸脱群)より、生活の中で疲れたりイライラしたり活動に支障をきたすことが少なかったという調査報告です。

アレルギー症状が出ては抑えてを繰り返すより、症状なし~小康状態をキープするほうが重要な理由がここにもあるわけですね。

 

アレルギー対策用のコンタクトレンズ

2021年にJ&Jより、抗アレルギー薬を配合した世界初のコンタクトレンズ『ワンデ― アキュビュー セラビジョン アレルケア』という商品が発売されています。

これはアレルギーの治療ではなく予防を目的としたものです。
レンズの中に抗アレルギー薬である「ケトチフェン」が含まれており、普通にこのコンタクトをつけるだけで目の中にケトチフェンが染み込み、アレルギー症状の発生を抑制してくれる仕組みとなっています。

https://acuvuevision.jp/sites/acuvue_jp/files/lens03.png

その性質上症状がひどく出てしまった後ではなく、例えば花粉の時期がくる少し前や、ほこりやダニの多い環境にこれから出向くことがわかっている場合などに装用するレンズとなります。

アイシティを始め、全国のコンタクトショップで取り扱いがあるので気になる人はこちらからお近くのお店を調べてみて下さい。もちろん眼科医に相談の上、処方してもらってからの方がベストです。

 

まとめ

人類医学は非常に長きに渡りアレルギーとの闘いを続けてきました。
他の病気や怪我と違い、症状が出た後ではなく出る前に治療するという発想は今やスタンダードな手法となっています。

アレルギーは発生させてしまうとあとが非常に面倒なので、なるべくならその手前で解決していきたいですね。