気づいたらなんだか眼鏡が歪んでいるような気がする…。
ある日突然こんな違和感を覚えたことはないでしょうか。
そしてその眼鏡をそのままかけ続けていると、あなたの大切な眼に悪影響が出ることがあります。
ここでは、お手持ちの眼鏡が正しい状態を保っているかをチェックできるポイントを5つご紹介しましょう。
見逃し厳禁!フレームの歪みは健康の歪み

『そういえば昨日メガネ落としてしまったな』
『ついでに踏んづけてしまったような気もする』
『子供がワタシのメガネをいじっていたような…?』
最近の眼鏡は昔に比べれば丈夫になりましたが、それでも何かの拍子に曲がったりしてしまうもの。
上記のような心当たりがあった場合は、どこかしらに歪みが発生していると考えた方がいいかもしれません。
まず考えなければいけないのは、眼鏡が正しくかかっていない場合、メガネのレンズもまた正しくない位置に置かれてしまっているということです。
試しにメガネを少し外してレンズを斜めから覗き込んでみてください。
景色が大きく歪んでしまっていることがわかるでしょう。
このように目からレンズまでの距離やレンズを覗き込む角度というのは、眼鏡をかける上でとても大事なことなのです。
フレームが歪むことで、本来想定された正しい距離や角度で眼鏡をかけられなくなってしまっているというわけです。
この状態を放置すると、単純に景色が見にくいだけでなく、眼精疲労や頭痛、果ては腰や肩の痛みなどにも波及してくることがあります。
それを防ぐ為にも是非ご自分の眼鏡のチェックをしてみましょう。
テンプルの広がり
テンプルとは眼鏡全体で見て側面に位置する、耳にかける部分のこと。
私のお店で調整にいらっしゃる方で一番多いのが、この部分が広がってしまったというお客様ですね。
まず眼鏡を広げてテーブルの上に置いてみて下さい。

上から眺めて、左右のテンプルの広がりに差がないかを確認してみましょう。
上の写真は両側ともきれいにまっすぐ伸びていますね。
しかし眼鏡によっては、片方(もしくは両方とも)が付け根の辺りから外側に向けて広がっていることがあります。
テンプルが根元から広がってしまうと、 こめかみの部分を押さえつける力が弱まり眼鏡がどんどんずり落ちてきてしまいます。
すると、目の位置が本来覗くべきレンズの中心より上の方にずれてくることになるわけですね。
眼鏡のレンズは正しい位置からずれるほどものが見づらくなっていくので、本来出ていた視力が出なくなっていたり、目が前より疲れやすくなったなどといった症状が現れてきたら注意しましょう。
眼鏡は長年かけていると徐々にテンプルが広がっていくものです。
特に顔の幅より小さめのフレームを選んだ場合は常に外側に広がろうとする力が加わりますし、かけた眼鏡を片手で外そうとして反対側のテンプルの根本に負荷がかかってしまうというのもよくある話です。
テンプルの角度
さて、今度は 置いた眼鏡をひっくり返してみましょう。

正しい姿はこの写真のように左右のテンプルが同時に テーブルの上に接地している状態です。
どちらのテンプルを上から指で押しても、左右の角度は一致しているので動くことはありません。

ここに力が加わり曲がってしまうと、どちらかが地面から浮き上がってしまいます。
写真を見ると手前側が地面から離れてしまっていますね。
浮いたほうを指で押すと、浮いた分だけカタカタとフレームが動きます。
見た目では浮いているかどうかわからないような微妙なズレでも、指で押してみることで気づかなかった角度の差に気づくことができるので、ぜひチェックしてみて下さい。
この状態の眼鏡をかけると、浮き上がっているほうのテンプルが先に耳に当たり、かけた眼鏡が斜めにずれてしまうのです。
モダンの曲がり.締め付け
モダンとはテンプルの先端にある、 カバーのかかった耳に引っ掛ける部分のことです。
ここも眼鏡を顔に固定する時に重要な部分で、ちょうど耳の付け根から曲がり始めてキレイな弧を描くようにカーブがつけられています。
平均として、縦方向に60度・内側へ30度のカーブがついています。

では写真を御覧ください。
意図的に右耳にかかるモダンの曲がりを緩くしてみました。
テーブルに置くとやはり片方だけ浮いてしまっているのが一目瞭然ですね。
ここも基本は左右均等のはずなので、このように曲がりのバランスが崩れていると耳に負担がかかり違和感を感じることになるでしょう。
そして内側に向かうカーブが不十分だと、顔の内側へ向けて固定する力が弱くなり、眼鏡が前後にずれてしまうわけです。
鼻パッドの潰れ.角度

写真をご覧ください。
ド派手に鼻パッドが潰れてしまっていますね(笑)。
メガネを踏んづけた時によく起こるのですが、このままだと鼻パッドの片方だけに重みがかかり、鼻に目立つ跡がくっきりとついてしまうことでしょう。
さすがにこんなことになっていたら誰でも気付きますが、もっと小さなズレだった場合は案外わからなかったりするものです。
鼻パッドは根本からの角度や途中にあるS字カーブ、鼻に当たっているパーツの曲がり具合もかなり自在に変化します。
要素がいくつもあるので、今回紹介した症状の中では最もわかりづらいと言えるかもしれません。
とりあえず簡単なチェック法として、眼鏡をかけた状態で鏡を覗き込んでみて下さい。
鼻の根元を押さえている鼻パッドの部分が、それぞれ浮き上がらずにあなたの鼻に沿うようにピタッとくっついていますか?
うまく押さえられていないようであれば、やはりいずれかの部位が歪んでいると言えます。
レンズの傷
もう一つ、フレームの歪みとは違うのですが、レンズについた傷も不調を誘発させる原因になります。
どんなに大事に使っても、時間が経てばレンズ自体に傷が発生することは避けられません。
何が起こるかというと、レンズから入ってきた光を傷の部分で乱反射させ視界が滲んでしまうのです。
景色がチラついて見えたり、外出時に風景が眩しく感じられたりということも起こるので、特に運転をされる方には気をつけて頂きたいところではあります。
他にもレンズのコーティングが経年劣化で剥がれてしまい同様の状況の陥るということもありますので、時々はレンズの方もチェックしてあげてください。
おかしいなと思ったらまずは眼鏡屋さんへ
ちなみに、上記のチェックポイントはあくまでも参考にすぎません。
なぜなら眼鏡に様々な種類があるように、人の顔形も千差万別だからです。
耳の高さが違ったり、顔の左右が対称でなかったりします。
なので場合によっては、テンプルやモダンの角度がずれていた方がしっくり眼鏡をかけられるということもあるのです。
あなたが眼鏡を作ったお店の店員さんがそれを踏まえてわざと左右に歪みを作っている可能性もありますので、その場合は無理に直さないほうがいいでしょう。
いずれにしろ、まずはお店の方に持ってきて頂ければ細かくチェックができるのでオススメです。
それでも自分で直したいという人は
ご自分の手で眼鏡の調整をしてみたいと言う方のために、別の記事でやり方を解説しています。
チェックするポイントだけおさらいしておきましょう。
- テンプルが外側に広がっていないかどうか
- テンプルが上下にずれていないかどうか
- モダンの角度は適正か、締め付けは充分か
- 鼻パッドは左右バランス良く鼻に乗っかるか
- レンズの傷の有無
ご自宅でカンタンに出来る調整なんかもありますので、ぜひご覧になってくださいね。