大事な眼鏡をいつまでも!お手軽メンテからがっつり洗浄まで

眼鏡のお手入れは、ちょっとしたことを意識するだけで寿命を伸ばすことができます。

いちいち掃除するのは手間だ
・汚れがこびりついてどうすればいいかわからない
・そもそも汚れてるのに気づけない

お手入れを後回しにしてしまう理由は沢山あると思います。
そんな場合でも最低限やっておけば随分マシというやり方がありますので、出来そうなところだけでも試してみて下さい。

いつの間にか汚れているのはナゼ?

汚れを落としたい

眼鏡って、気づかないうちに汚れがつくイメージがありませんか?
特段心当たりもないのに、埃が一面に着いていたり指紋がくっついていたり。

これ、主な原因は静電気なんです。

 

埃、ちり

人間の体と同じ様に眼鏡自体も微かな静電気を表面に帯びています。
この静電気が空気中を漂っている埃や塵を吸着してしまうんですね。

室内だろうが屋外だろうが、細かな埃はどこにでもありますので、時間が経つ事に汚れていくのは仕方ないことではあります。
春先は加えて花粉も引き寄せるので、さらに汚れはつきやすいと言えます。

 

指紋、脂汚れ

人の体由来の汚れとしては、触った時の指紋と汗などを介してつく皮脂汚れがあります。
皮脂は体の脂肪腺から分泌されるもので、いくら体を綺麗にしていてもなくすことはできません。
この皮脂汚れは他の埃や垢などをくっつける性質があるので、時間が経つとなおさら目立つ汚れになります。

 

まつ毛、メイク汚れ

女性の方は、レンズに触れるくらいつけまつ毛が長い方がいますよね。
そうなるとやはり、まつ毛がずっと擦れた状態になるのでレンズに傷はつきやすくなるでしょう。
他にも顔に施したメイクが目の周りや耳からフレームについてしまうこともあります。
メイクで使用される成分にも油が含まれているので、なかなか取れない汚れとして溜まってしまうのです

 

忙しい人もこれだけ守れば全然違う

1番手っ取り早く効果的な方法

普段眼鏡が汚れたなと思ったら、メガネ拭きで拭くくらいは誰でもやりますよね。
そこにもうひと手間だけ加えることでレンズへのダメージを大分改善させることができます。

それは、水洗いをすること。

長く使ったレンズは細かい擦り傷のような跡がたくさんつくことが多いですが、これはレンズ表面に付着したゴミや砂をそのままにして拭き取ろうとしたせいです。
そのゴミや砂が研磨剤の役割を果たしてレンズに傷をつけてしまうわけです。

なので、レンズを拭きあげる前に眼鏡を水道などの流水に晒してゴミを洗い流してあげてください。
水をかけながら軽く指で撫でるようにしてあげると、ざらざらした感じが落ちていくのを実感できると思います。

 

拭く時は必ずメガネ拭きで

ずぼらな人ほどよく見るのが、レンズを着ている服のはしっこでごしごしこすること。
正直眼鏡にとっては最悪のやり方で、どんなに性能の良いレンズでもコレを続けたらあっという間にぼろけてしまいます。

やはり眼鏡はメガネ拭きで、もしくは柔らかい布、あるいはせめてティッシュで拭く作業を行って欲しいところです。

 

溜まった汚れは超音波洗浄機

とはいえ細かい隙間に入り込んだ汚れは簡単には取れません。
ここでは、眼鏡屋さんに設置してある超音波洗浄機を利用しましょう。店頭に置いてなければ、店員さんに洗浄をお願いするでも良いです。

洗浄機の中の水に眼鏡を浸し、スイッチを入れます。するとフレーム枠の内側や鼻パッドのクリングスにこびりついた皮脂などが、超音波の振動で剥がれ落ちていきます。
汚れがぶわーっともやのように広がる様を見ると、もう少しちゃんと掃除しようと思い直すかもしれませんよ(笑)。

眼鏡屋さんの前を通りかかった時に2~3分で済む話なので、たまには使うようにして下さい。

 

一歩踏み込んだ洗い方でいつまでも綺麗な眼鏡を保とう

では時間が確保できた場合は、どのように洗浄を進めればよいでしょうか。

おおまかな流れは普段の洗い方と変わりません。
ただそれぞれに少しずつ気を使ってあげるだけで、将来まで長く使える眼鏡になるでしょう。

 

流水で下洗い

前述の水洗いは必ず行って下さい。
この後の浸け洗いの際も、一度水で流しておくことでためた水の中に砂などが混ざり込むことを防げます。

さっと流すだけで構いませんので、最初はこの段階を踏みましょう。

中性洗剤で優しく洗う
まず洗面器(もう少し小さい器でも構いません)を用意してください。
この中に眼鏡が沈むくらいの水を張り、台所で食器用などに使用している中性洗剤を何滴か入れて下さい。
かき回して泡立ってきたら眼鏡を投入します。
そして眼鏡を揺するようにして動かし、洗剤を全体になじませて下さい。
その後いつも汚れが残ってしまうような場所を中心に、指の腹でゆっくり優しくなぞるように洗っていきます。
特に注意するのはレンズと鼻パッド周りで、爪で傷つけたり力を込めすぎて曲げてしまわないように気をつけて下さい。
拭き取る時は乱暴にしない
洗い終わったら再び流水で洗剤をしっかりと落として下さい。
洗剤が残っているとフレームが変色したりレンズのコーティングの剥がれを促進する羽目になります。
水を切ったら、タオルで包むようにして水分を吸収させて下さい。
手っ取り早いのでティッシュを数枚使う形でも構いません。
決してごしごし拭いたりせず、自然と水を吸い取るように拭くのがコツです。
可能ならパーツやフレーム枠の隙間、ネジの頭部分を意識して拭き取るようにすると、錆びにくくなりフレーム全体が長持ちするでしょう。
仕上げは眼鏡拭きで
一通り拭き取れたら、最後にレンズを眼鏡拭きで綺麗にして終了です。
汚れがばっちり取り切れたかどうかは、眼鏡を傾けて蛍光灯の光を反射させるとよくわかります。
まだ拭き残しが白く反射するようなら、その部分を改めて拭き上げて下さい。
特にレンズの周縁部、外枠付近がよくある拭き残しポイントです。
鼻パッドの辺りもクリングスが邪魔をして拭きづらいので、爪楊枝や綿棒に布をまとわせて利用すると拭きやすくてGoodですね。

その他気をつけておくべきこと

■洗浄時、使ってはいけないもの

熱いお湯

眼鏡はフレームもレンズも非常に熱に弱いです。
特にレンズは大事なコーティングが浮き上がるように剥がれ、寿命を一気に縮めますのでお湯の使用は厳禁と覚えておいて下さい。

かなりぬるーいお湯くらいであれば、落ちにくい脂汚れに効果があるのでまだ使用はアリかもしれません。

酸性、アルカリ性洗剤

酸性やアルカリ性の洗剤、洗浄液でも眼鏡はダメージを受けます。
コーティング剥がれの他に、フレームの素材によっては最悪変形を招くことさえあるので、必ず中性の洗剤を使用するようにして下さい。

石鹸もアルカリ性なので禁止ですよ!

 

眼鏡拭きも定期的に洗っておこう

眼鏡拭きは使用していると、繊維の間に拭き取った諸々が詰まっていきます。
それが多くなると、眼鏡を拭く時にその詰まったゴミがレンズを傷つけてしまいます。

せっかく綺麗にしようとしているのにこれでは逆効果なので、ぜひ眼鏡拭きも時々洗ってあげて下さい。

やり方は、ぬるま湯の中にこちらも中性洗剤を少し加え、優しく押し洗いをするのがベストです。
入り込んだ汚れをゆっくり押し出すようなイメージですね。強くもみ洗いをしてしまうと、繊細な生地が傷んでしまうので避けたほうが無難です。

そして洗剤が残らないようにしっかりすすぎ、ねじらずに押すようにして水を絞って下さい。
理由は先ほどと同じ、生地を傷つけないように保全するためです。

最後は室内で一日も干せば次の日には使える状態になっています。

 

緑青は放置しない

眼鏡を長期間使っていると、鼻パッドの辺りに緑色の綿みたいなのがひっついてきた経験はありませんか?

これは銅サビの一種で、塩分や湿気や脂分、つまり汗や皮脂が銅に反応することで生まれるものです。
放置するとどんどん広がっていきますので、早めに取り除いてしまいましょう。

爪楊枝などでこそぎ落とすこともできますし、重曹を水で薄めたもので落とすことも可能です。
ただ細かい部分になるので、これも眼鏡屋さんに任せたほうが早いかもしれませんね。
あまりにも年季が入った緑青は根が深いので、いっそのこと鼻パッドを交換してしまうというのも一つの手です。

 

少しの意識で末永くお付き合い

眼鏡に限りませんが、定期的なお手入れというのは道具の寿命を飛躍的に伸ばします。

最初は面倒でも、習慣にしてしまえば大して気にならなくなるものですので、今回ご紹介した方法で自分でも取り入れられそうだと思ったものは是非実践してみて下さい。
毎日手と顔に触れるものですから、眼鏡を大事にすることは目を大事にすることに繋がります。

取り替えの利かない目と末永く付き合っていけるように、まず眼鏡に意識を向けてみて下さいね。