メガネレンズを外すならこの一点を狙え!フレーム別レンズ外し方講座

最近メガネの手入れやコーディネートをするのに、眼鏡屋さんの手を借りず自分でやれることはやってしまおうという人が増えています。
その一環か、最近増えてきた質問のひとつに『メガネレンズの外し方』があります。

確かに知らないとメガネのレンズってどう触っていいのかわからないことありますよね。カンタンに外せると言われても力加減とか知らないし、壊れてしまわないかという不安もあります。

この記事では、まさに最初の頃の私自身が勤務中にレンズ外しで困った場面をもとに、これから挑戦する人たちの疑問に答えていきます。

ポイントを押さえれば確かに簡単。しかし強引に進めるとよくない場合もあるので、その見極めもあわせて紹介しちゃいましょう。

 

レンズを外したい理由は色々

そもそもどうしてメガネのレンズを外したいか。

必要がないと外そうと発想することすらないですが、案外レンズを外したい人は多いようです。

 

○綺麗に掃除をしたい

レンズとフレームの隙間は結構な汚れポイント。ゴミや皮脂などが詰まっていて、普通に洗うだけでは取るのが難しいです。
レンズさえ外せてしまえば枠に掘られた溝の中も綺麗にしやすいので、メガネを長持ちさせたい人の多くが行っているようですよ。

○伊達メガネのレンズはないほうがいい

ファッションアイテムとして定番の伊達メガネ。
当然度は入っていないのですが、睫毛が当たったりキラキラ変に反射したりが嫌な人にとってはレンズそのものがおじゃま虫のようです。

○サングラスのレンズと気分で取り替えたい

普段はクリアレンズ、日差しが強かったり遠出する時はサングラスのカラーレンズ。こんな風に使いたいので、外しやすいようにレンズを小さめに作ってくれという依頼を受けたことがあります。
気に入ったフレームを常に使いたいならそれもアリですし、2本持っていくよりは嵩張らない。交換のためにいちいち眼鏡屋に行くのも大変ですから、これはなるほどと思いました。

○店で断られた

手持ちのフレームを眼鏡屋さんに持っていって希望すれば、ふつうは新しい度の入ったレンズを作ってもらうことができます。しかしその眼鏡屋さんで取り扱っていないフレームの場合、もしかしたらレンズ交換を断られるかもしれません。

これは世の中の全てのフレームがレンズを取り替えることを想定しているわけではないので、出自のわからないフレームだと安請け合いができないという理由があるからです。レンズを外す時にレンズ自身やフレームが損傷してしまっても補償のしようがないから、念の為に断るというわけですね。
逆に言えばレンズをこっちで外せさえすれば交換に応じてくれる可能性があるため、あなた自身の責任においてチャレンジするのはもちろんありです。

 

セルフレームを外してみよう

セルは真ん中上部を一点狙い

では実際にレンズを外していきましょう。

まずはセルフレームから。
セルとは簡単に言えばプラスチック製のフレーム全般を指します。レンズを入れるリム(枠)に継ぎ目がなくて、レンズはこのリムに押し込むようにバチンとはめ込むタイプですね。

はめ込む時は外側から内側(顔側)にむけて押し込むので、外す時は逆に内側から一点に向けて親指を当てて押し出すのが共通した手順です。
ただ試してみると、なんだか妙に固くてほんとに外れんのかコレ?!と思ってしまうかもしれません。そういう時は大体力のかける位置と抑える位置が違っているので、まずはそこからチェックしてください。

 

①外す時に押すその一点はどこが一番良いのか

レンズ外しはココ一点狙い!

ずばり【レンズ上辺の真ん中一点狙い】がベスト!
100%必ずとは言いませんが、多くの場合でこの一点を押せば外すことができます。

眼鏡は大抵横長の形をしていて、長い辺のほうが外す時にリムをたわませて外しやすいというのがひとつ。
そういう意味では下辺の真ん中でも悪くはないですが、上辺のほうがサイドの丁番と距離が近くしっかり抑えが利くため、非常にオススメです。

②親指で押す、人差し指で抑える

もうひとつ大事なポイントとして、レンズを親指で押し出す際に、リムを反対側から人差し指で抑えておくことを忘れないで下さい。
これによりこの一点のひっかかりを浮かせるようにして外しやすくなるからです。

 

形状別の外すポイント優先順位

先ほどベストとは書きましたが、必ずしも上辺上部で上手くいくとは限りません。フレーム枠が細く頼りなかったり、強度に不安があったり、溝が深くてガッツリハマりこんでいたりすると他のポイントを試す方が良い場合もあります。
お店では、フレームをくるくるまわしながら取れそうな場所を探っていくという形で外していきます。

まあそれでも試すポイントのあてがついていたほうがいいと思うので、フレームの形状ごとにどの辺りから優先して試していけばいいかを調べてきました。今回の記事を書くに当たって店にあるセルフレームを片っ端から外してみた成果がこちらです。(他の店員に何やってんだという目で見られました)

 

スクエア、ウェリントン

ウェリントンレンズ外しポイント

①や②が最優先で、それ以外なら③の内側の斜め下なんかいいんじゃないでしょうか。
このタイプは形状が四角形に近く、四隅の角が立っているのでその一点に力を掛けやすいのがポイント。度入りのレンズは大体外側より内側のほうが薄くなっているので、外す時もそっちから攻める方がやりやすい筈です。

 

オーバル

オーバルレンズ外し優先順位

天地幅がかなり小さく、横に伸びた楕円の形をしています。今回は横に細長い四角のフレームもここに含みます。
このタイプは横から外そうとするのは避けてください。縦幅が狭いせいでフレームがたわむ遊びが全然なく、無理にやろうとしても指が痛くなるだけです。もしくはフレームかレンズが欠けます。特に度がある場合のオーバルは絶対に上辺下辺から外すようにお願いします。

 

ボストン

ボストンレンズ外し優先順位

今や丸型フレームの代表格であるボストン型。完全な円ではなく、主に下部が細めになった逆三角形と言われることが多いフレームです。
これもウェリントンなどと同じ外し方でいいかと思いきや、意外と③の下辺の中央部分が思ったより固いことに驚き。別に外せないことは無いのですが、ウェリントンのそれと比べるとすんなりいかないイメージがありました。どちらかというと、②の内側部分が抵抗が少なかったのでこちらを先に試してみて下さい。

 

ラウンド

上のボストンと似ていますが、こちらはほぼ真ん丸、きれいな円を描いた形をしています。
どちらかというとメタルフレームに多いのですが、セルも少なからず存在。形が円なだけあって外しやすさはどの位置でもほぼ同じですね。強いて言うならやはり上辺が良さそうですが、正直これは加工時のやげんの立て方やフレームの歪みによって変わってくるかと思います。
そのフレームごとに無理のないポイントを探るようにしてみて下さい。

 

ヘキサゴン、オクタゴン

ヘキサゴンは六角形、オクタゴンは八角形の形をした少し珍しいタイプのフレームです。
ボストンやウェリントンをカクカクさせた形を思っていただければOKです。よって外し方もそちらが参考になるでしょう。ただ、ラウンド以上にセルは少ないのであまりこの形を外す機会はないかもしれませんね。

 

メタルフレームを外してみよう

いったいどこにネジはある?

メタルフレーム正面

メタルフレームとは、レンズを覆うリムがチタンや合金などの金属製になっているものを指します。

留め方についてはセルと大きく違い、こちらはレンズを嵌めた後に小さなネジを締めて固定するという形を取っています。よってネジに合うドライバーさえあれば簡単に外すことができるので、難易度としてはセルより大分楽なんじゃないでしょうか。

注意点としては、しっかりドライバーを差し込んで力をかけないとネジをなめて潰してしまいやすいことと、外したネジが落ちてどこかに行きやすいので転がっていかないような場所でやりましょうといった辺りです。

リムロック位置

ネジの場所は、多くの場合画像の位置にあります。
リムをロックしているのでリムロックと言います。わかりやすいですね。

このリムロックのネジを外すだけでフレームが上下に開くようになるので、その隙間からレンズの出し入れが出来るようになるわけです。メタルフレームに関してはリムロックの位置さえ見つけてしまえばもう何も難しいことはないので、よく観察して外すようにして下さい。

 

無いように見えてもネジはある

上記画像の位置になかった場合。

リムロック内側にある

例えば内側のこんなところにあったり、

セルに見せかけてネジ留めだったり、

テンプルをつなぐためのネジと思いきや外してみるとリムロックと兼用になっていたり、

微妙に分かりづらいフレームがちらほらあるのでひっかからないようにしましょう。

 

ムリしちゃいけない場合もある

レンズとフレームの状態をよく見る

ここまで見てきたように、レンズを外すのはさほど難しくはありません。
しかしどんな場合でも気軽に外して良いかというと、そうとも限らない時があるので注意して下さい。

それはフレームやレンズが劣化していた場合です。

 

どんな眼鏡も使われているうちに摩耗していきます。
それはちょっとぶつけたり落としたりしてわずかに変形しただとか、空気に触れているうちに酸化したり塗装がはげてきたりだとか、どこかしらに負荷がかかって亀裂が入っていただとか、そういったことが往々にして起こりえます。
そしてそんな眼鏡の状態に気づかないままレンズを外してしまうと、元々あったダメージがレンズを外した拍子に広がってしまうことがあるのです。

なので眼鏡をいじろうとする時は、必ずどこかに異常がないかを軽くでいいのでチェックしておくことをオススメします。

 

外せないフレームも存在する

これは主に百貨店などで置いてあるサングラスや百均の老眼鏡などが該当することが多いです。

眼鏡屋さんで販売している眼鏡は、ちゃんとフレームに溝を掘ってレンズには山形のやげんを立てて、見やすさや扱いやすさ、はたまたフレームとしての再利用のしやすさを担保した作りになっています。
しかし安価なフレームの中にはそういったことを意識していない、つまりレンズを外したり交換したりということを想定していないものがあるということを知っておいて下さい。

溝がただの四角い穴で強引にレンズを押し込んで固定しているだけだったり、レンズカーブを計算に入れていない形をしているために度付きのレンズを新たに入れようとしても入らないかすぐに外れてしまったりといったことが起こります。
酷いものになると単純に接着剤でくっついてたりします。

こういうフレームはもはや眼鏡屋さんでもお手上げのことが多いです。
一度レンズを外したら最後、もう同じようにはまらなくなってしまったという話もなくはないので、安価な雑貨として売られている眼鏡に関しては気をつけるべきでしょう。

 

ガラスレンズは要注意

最後にもうひとつだけ。
最近はあまりないのですが、一昔前、現在のプラスチックレンズではなくガラスレンズが主流だった時代がありました。表面に気づか付きづらく見え方がクリアで綺麗なのですが、ガラスレンズ最大の問題点として割れやすいということが挙げられます。

大抵は眼鏡ごと落として割ってしまうパターンが多いのですが、実はフレームからレンズを外そうとしてパリンとやってしまう人もいるのです。

特に気をつけたいのがセルフレーム。
レンズを強く押して外したり嵌めたりする都合上、非常にガラスレンズと相性が悪いです。フレームを限界まで温めて外しやすくしてから試行するのですが、それを知らずに単純に押してしまうと至極あっさりとこのレンズは砕け散ります。ぐしゃっという感じで割れてしまうので、基本的にはレンズがガラスだった場合は自分では外そうとしないほうがいいでしょう。
どうしても外したいのならお店に持ち込むほうが無難です。

 

レンズをはめたい時は?

では今度は外したレンズをはめる場合を考えてみましょう。

といっても基本は外す時の逆をすればいいので手順は難しくありません。

セルフレームのはめかた

外す時は内側(顔側)からレンズを押し出すように外しましたよね。
ということは、レンズをはめたいなら外側から押し込む形になります

この時、レンズ作成時の削り方によって入れやすさはかなり変わります。
レンズが小さめに作ってあるなら特に何も考えずともあっさりとはめ込めるはず。しかしやや大きめに作ってあるとしたら、このはめる作業は難航を極める場合があります。外す時に固くて大変だったなら、入れる時もかなり手こずることを覚悟しておきましょう。

とはいえもともと入っていたレンズならば元通りにはめることは勿論可能なので、イマイチうまくいかない時は以下のコツを参考に諦めず挑戦してみてください。

 

コツ①最初は厚みのある辺から

レンズをはめ込む際、全体を平均的に乗せてはめるのではなく、 レンズの厚みがある方をまず枠溝の中にしっかり入れるところから始めて下さい。大抵は鼻側ではなく耳側のほうが厚くなっているはずなのでそちらからですね。

その上で最初に入れた反対側のレンズの辺を両手の親指で押し込んでバチンとはめるのが基本です。

コツ②方向を合わせて徐々に押し込む

レンズをセットしたはいいものの、その角度が微妙にずれていてはめ込みに支障をきたす場合があります。
フレームの枠とレンズの方向をきっちり合わせないまま強引に入れようとすると、なかなかはまってくれない上に、レンズがフレームの縁をがりがり削って塗装が剥げてしまったりレンズ自体が欠けてしまうことも。

これを防ぐには、レンズ辺を順番に押し込んでいく方法を採るのがオススメ。
まず厚みのある辺を溝に入れたあと、いきなり反対側に行かず、その両サイドの辺からじわじわぐりぐり押し込んでいきましょう。そうする事で自然とレンズの入る方向も正しく矯正されるため、だいぶやりやすいハズ。

すると両サイドの辺が半ばまで溝に入ってくれるので、あとは最後に残った辺をはめるだけです。可能ならば、最後の辺ではなく最後の角以外は先に埋めておくくらいのイメージで押し込み、ラストに角の一点を両指で思いっきり押してみてください。

コツ③遠慮しない

よくあるのは、ラストの押し込みをかけるときに遠慮をしてしまうこと。

確かに眼鏡は力を入れると壊れそうで怖いですが、ちゃんと方向が合っていて、丁番を握りしめるとか変な持ち方をしていなければ大丈夫です。
眼鏡屋の女性スタッフでも男性と変わらずにレンズの付け外しは行っていますから、うまくはまらない時は指の力が足りないというより遠慮して力が入ってないのが原因であることも多いです。まあ、たまに本当にガチガチにハマりこんでビクともしないレンズもあるため、その場合は力のある人に頼むかお店に持ち込むかがいいかもしれません。

コツ④加熱する

上記を行った上でどうしても入らないなら、フレームを加熱することを考えてみましょう。プラスチックフレームは熱を加えると柔らかく変形しやすくなるため、レンズをねじ込みやすくなるという寸法です。

やり方は、熱めのお湯にしばらく浸しておくかドライヤーで温めるのが定番。
熱々になるまで温める必要はないので、暖かいと熱いの中間くらいになったらためしにレンズを入れてみます。フレーム素材や熱源の温度にもよるのでなんとも言えないのですが、お湯なら数分、ドライヤーなら1分くらい当てたあたりで試してみるのが良いでしょう。
それで手応えが変わらないようなら、さらに熱する時間を延ばしていって下さい。

ただしあまり熱しすぎるとフレームが変形して逆に入れにくくなるのでほどほどに。フレームの枠がぐねんぐねんに動くレベルだとやり過ぎかも…。
また、レンズはコーティングがあっさり死ぬので加熱厳禁となっています。

 

注意※デモレンズは入れづらい

デモレンズとは、フレームの型崩れを防ぐために最初から入っているプラスチック板のこと。
「レンズ」ではないですから当然光学性能やコーティングが皆無なわけですが、レンズ枠を歪ませないという目的がゆえに少し大きめに作られていることが多いです。これにより、一度外したデモレンズを何らかの理由ではめ戻そうとしても中々入ってくれないんですね。

やるとしたらレンズをたわませながら入れるのがコツですが、これが結構難しい。
ですのでデモレンズを改めて使うつもりがあるなら気軽には外さない方がいいかもしれません。

 

メタルフレームのはめかた

メタルフレームの場合はうってかわって簡単です。

眼鏡の枠の溝にレンズ側面のやげん(でっぱり)を合わせてネジを締めるだけ。
おそらく問題なく締められるとは思いますが、いくつか注意するポイントをお伝えしておきます。

・セルでも書きましたが、レンズの方向が傾いていると枠にきっちり収まってくれません。ネジを留められても最後まで締めきれずネジ頭が浮いてしまう場合、レンズの角度がズレているもしくはそもそも枠からはみ出している可能性があり考えられます。
眼鏡をくるくる回して全周しっかりはまっているか、どこかに隙間が空いてないかを確認しましょう。

・ネジを締める際は押し込みながら回すイメージを持って下さい。
反対側を指で押さえてそこに向けてドライバーをねじ込む感じです。こうすることでネジが緩みにくくなりますし、ネジをなめて潰してしまうことを防ぐことが可能です。

 

まとめ

私も最初に眼鏡屋に勤め始めた時、レンズを外すという作業に思いの外手こずった記憶があります。

今になって振り返るとなんでこんな簡単なことをと思うのですが、眼鏡という製品が繊細でどこまで思い切って力をかけて良いのかがわからなかったせいかもしれません。

今まさにレンズ外しに挑戦していて同じ状況だという人もいるでしょう。
でもこの記事で紹介した手順を参考にしてもらえれば、そうそう外せないということはないはず。

レンズ外しは思い切りが大事です。

一度外せてしまえば加減が掴めると思うので、ぜひ頑張ってみて下さい。