今回は、2020年夏頃に発売されたばかりの新型レンズ『ナイトアシスト475』をご紹介しましょう。
出典(以降の画像も含む):NIDEK
これはニデックが開発した可視光線高反射レンズで、いわゆるブルーライトをカットするレンズのことですね。ただしその反射率や範囲が既存にないくらい大きいのが特長で、現在一般に使用されているレンズとしては最大といって間違いないのではないでしょうか。
メーカーとしては夜用レンズとしての機能を謳っています。
夜用レンズとはつまりどういうことか。
メーカーのサイトでは【睡眠の質の向上】と【LEDライトの眩しさ軽減】という2つの面において優秀な効果を発揮するとなっていますね。
ではそれぞれの効果をもう少し詳しく見ていきましょう
驚異のブルーライト99%カット
ブルーライトとは、太陽光に含まれる目に見える可視光線と呼ばれるもののうち、波長が380nm~500nm帯のものを指します。
これらの光は紫外線と比べて皮膚などには大した影響を与えないとされているのですが、目が浴びた時に角膜や水晶体を青色光が通り抜けてくることがわかっています。そして目の奥まで届いた光が人体へ悪影響を及ぼすのでは、という懸念があるわけですね。
ブルーライトを含む有害光線についてはこちらの記事が詳しいので参考にして下さい。
近赤外線カット眼鏡って聞いた事ありますか? 紫外線やブルーライトと並んで、最近注目されるようになったのが近赤外線です。 普段浴びている太陽光線に含まれているものですが、浴び続けると目や肌に少なくないダメージを与えることが最近分かって[…]
最近のメガネ業界はこのブルーライトを如何にして軽減していくかというのが一つのテーマになっています。
では実際のカット率はどんなもんかというと、よくあるPC用フレームがだいたい30%前後。
jinsで買えるjinsスクリーンが25~40%。
zoffのブルーライトカットレンズは33~50%となっています。
業界におけるブルーライトカットといえばだいたいこの辺りを示すことでしょう。
では今回ご紹介のナイトアシストはどのくらいかというと、
なんと380~460nmの帯域を99%カットという数値を叩き出しています。
波長グラフを見ると、該当箇所領域の波形表示がキレイサッパリなくなっていますよね。
ここまで見事にカットしてみせたレンズはまだ外にはないはずです。
就寝スマホが現代人を疲弊させる
ブルーライトが現代人に与える影響で、特に見過ごすことの出来ないものがあります。
それは「睡眠の質の低下」。
日本人で睡眠に関して問題を抱えている人は5人に1人以上であるそうですが、そこには就寝前のパソコンや布団に入ってからスマホが大きく関わっています。
寝る前に少しだけと思ってスマホを開いてしまう、ダメだと分かっていてもついついやってしまいますよね。
あの至近距離で浴びる光が睡眠のために必要な「メラトニン」という成分の分泌を妨げ、円滑で充分な睡眠と休養をとることを邪魔してしまっているのです。
よって自宅でのデバイス使用の際はブルーライトカットを施した眼鏡を(度を入れる必要がない人でも)かけることが推奨されています。睡眠のリズムを崩さないために、ひいては起きた後の昼間の生活をすっきりと送るためにもぜひこういったレンズを活用しましょう。
濃いカラーレンズなのに視界明瞭!
もう一つナイトアシスト475には大きな効果があります。
それが「夜間運転時の眩しさ軽減」。
夜の運転中、こんな眩しいヘッドライトの車って結構いますよね。
近年の車はライト自体の光量が増しているように感じます。さらに「ヘッドライトは基本上向き」というルールが再確認されてきたこともあって、上向きのままの車とすれ違ってえらい眩しい思いをする機会も多くなりました。かく言う私も下向きに戻し忘れて人様に迷惑をかけている可能性が否めませんが…。
画面で見れば分かる通り、この眩しさをナイトアシスト475は相当量軽減してくれます。
特にヘッドライトや街灯に使用されるLEDライトは、周囲が薄暗いほど眩しく感じやすいという特性があります。ここに焦点を当てることで、独自の染色方法により高いカット率を実現しているのです。
さらに特筆すべきはその視感性能。
冒頭の画像などで見ると、ナイトアシスト475は結構濃い色をしていますよね。
しかしメーカーが示す視感透過率は85%となっており、すなわち15%くらいの薄い色のレンズをかけた時と同じ視界を確保できますよということを表しています。
カラーレンズはどんな色でも濃ければ濃いほど眩しさを抑えられるのですが、やりすぎると目に入ってくる光量が減って逆に景色が見づらくなってしまうという結果になってしまいます。なので光量の低下は必要最低限にしつつ、夜間における眩しさの元を効率的に遮断するのにこのナイトアシスト475のイエローレンズは最適化されているのでしょう。
左が裸眼時、右が装着時の見え方です。
ヘッドライトの眩しさが大きく抑えられているのがわかるかと思いますが、注目してほしいのは地面と遠くに見えるビル群。
裸眼時と比べて、周囲のものがくっきりと輪郭を保ってかなり見分けやすいと思いませんか?
こうしてみると、夜間運転の安全の確保に大いに役立つことがイメージできますよね。
夜をアシストするレンズ
ナイトアシスト475の想定される使用環境は
・仕事用、オフィスでのPC作業
・日常使用、就寝前の自室orベッドの上
・早朝夜間、悪天候時のの運転やランニング
いずれもあなたのQOL(Quality of Life)の向上に役立つはずです。
レンズの色が少し使いにくと感じるかもしれませんが、後ろ2つのシーンならば他人の目を気にしなくて良い場合がほとんどでしょうから遠慮なく使っていくことができます。
これで夜用レンズと最初に紹介した意味が伝わったのではないでしょうか。
このナイトアシスト475が生活の質、人生の質を高めていく一助になると思うので、興味のある方はぜひ。