紫外線より厄介!?近赤外線をカットする眼鏡でシワ・たるみを防げ

近赤外線カット眼鏡って聞いた事ありますか?

紫外線やブルーライトと並んで、最近注目されるようになったのが近赤外線です。
普段浴びている太陽光線に含まれているものですが、浴び続けると目や肌に少なくないダメージを与えることが最近分かってきました。
それが長期間に及ぶと、深いシワやたるみとなって現れるのです。

これを、紫外線などの影響と合わせて「光老化」と呼びます。

しかもこの近赤外線は紫外線やブルーライトとは違う波長なので、それらをカットする眼鏡では全く防げないのです

この記事では近赤外線が及ぼす影響と、それを防ぐ手立てについて詳しくご説明していきます。
今対処しておけば将来における老化現象を軽減することが出来るので、ここでその方法を学んでいって下さい。

近赤外線は皮膚の奥深くまで入り込む

太陽光線の波長
出典:アウタースキンラボ

太陽光線はその性質上、いくつかの種類に分けることが出来ます。

  1. 可視光線:私達が普段目にできる色の光
  2. 赤外線:目に見えない光のうち、波長が長いもの
  3. 紫外線:目に見えない光のうち、波長が短いもの

私達にとってどれも必要な光ではあるのですが、近年の環境の変化によりこれらの光が人体に与える害が取り沙汰されるようになりました。
画像の単位nmはナノメートルで、この数字が少ないほど強いエネルギーを持っています。
それぞれの危険性と影響度は次の通り。

 

紫外線

UVC

およそ100~290nmの波長の光線。
エネルギー量的に最も危険度が高いですが、オゾン層に阻まれて地表にまで届くことはありません。
しかしオゾンホールが増えてきたことから警戒を必要とする光でもあります。

UVB

およそ290~320nmの波長の光線。
実際に浴びる機会のある中で最も強力な光。シミやソバカスの原因となり、世の皆様に大いに避けられている光の代表格。
この光を浴びた皮膚はメラニンを生成し、光に対し防御の態勢を取ることで日焼けを発生させます。

紫外線の中では量は多くないのですが、有毒性が高く、目から入ることで白内障・加齢黄斑変性などを引き起こす危険性が指摘されています。
なので、今は眼鏡やサングラスのレンズのほとんどが紫外線カットを標準装備しています。

UVA

およそ320~400nmの波長の光線。
UVBほど破壊力があるわけではないのですが、表皮の下の真皮まで光が届き、コラーゲンなどのタンパク質の変性・阻害を起こして皮膚の色素沈着やシワとして症状が出てきます。

雲が出ていてもあまり減衰しないので、曇りの日や冬場でも変わらず降り注ぐ厄介モノでもあります。
こちらも標準装備の紫外線カットレンズで大体防ぐことが可能です。

 

可視光線

およそ380~800nmの波長の光線。
虹の七色に代表される、私達が肉眼で見ることの出来る光。
これが眼球内に入って網膜に投影されることで、そこにある景色を認識することが出来ます。

これまで大きな害は報告されていなかったのですが、目にとってはHEVという400~420nmの光が紫外線よりも注意するべきだと言われるようになりました。目は肌に比べて感受性が高く、HEVは角膜や水晶体を通り抜けてくることにより白内障などのリスクが高まるからです。

この波長は紫外線カットでは防げず、専用のコーティングを施す必要が出てきます。
各社が発売しているHEVカットや420カットなどと表示されたコートがそれに当たります。

 

近赤外線

近赤外線浸透図
出典:アウタースキンラボ

では問題の近赤外線を見ていきましょう。
こちらは800~2500nmというとても長い波長の光線となっています。

上記の図をご覧ください。
画像は紫外線(UVA/UVB)と近赤外線が皮膚に浸透する深さを示しています。

近赤外線の大きな特徴として、先ほど説明したUVAよりさらに奥深くまで浸透していることがわかりますよね。
エネルギー自体は少なめなのですが、地表に届く量が紫外線の10%に大して約50%近くもあり、主にシワやたるみの原因となります。

シワ・たるみ発生の仕組み
出典:アウタースキンラボ

皮膚の奥まで侵入した近赤外線が皮下組織を破壊し、壊れた細胞に引きずられるように上部組織が縮められて皮膚表面が波打つように変化します。
この波打ちの程度が大きくなると、シワやたるみとして目に見えるようになるわけですね。

その他、進行が進むと最終的に皮膚がんを引き起こしてしまうと言われています
なので、近赤外線を遮断する機能を持った日焼け止めや眼鏡の必要性が問われるようになりました。

 

光老化への対策

実際にどれほど影響があるもの?

ここまで人体に与える有害な光についての研究結果を見てきました。

確かに強い日差しを浴びると日焼けや肌のひりつき・痛みなどで悪い影響を受けているのはわかります。
しかし本当に、近赤外線部分をそこまで気にしなければならないのかと疑問に感じる方もいるかもしれません。

これを実感するには、身体の各場所における老化スピードの差を考えるのが良いです。
年齢を重ねてシワが目立つ場所というと、どこが想像されるでしょう。

顔の目元やほうれい線、首周り、腕や手の先などが特に目立つ場所だと思います。
逆に、背中やおしり、ももの内側や二の腕の裏側はそこまで気にならないのではないでしょうか。

この違いは何だと思いますか?

 

そうです、太陽をよく浴びている場所かどうかです。

 

ニュースの旅行番組などで、赤道付近に出てくる標高の高い地域に住んでいる人の映像を見たことはあるでしょうか。

みな一様に浅黒い肌をして、お年寄りのみならず30歳前後の若者まで深い皺をその身に刻んでいる人がいることに驚きます。
彼らの住む土地は非常に紫外線量が強く、しかもその対策となる手段を多くは持っていません。
そして一日のほとんどを外で日光を浴び続けながら過ごすので、深刻な光老化を引き起こしているのです

2014年に金沢医科大学の研究チームが行った、日本とアフリカのタンザニアの子どもたちの目の状態の疫学調査報告を見てみましょう。

視力自体はタンザニアの子どもたちのほうが良かったものの、紫外線の被曝量は彼らのほうが3倍も高く、「瞼裂斑(けんれつはん)」という白目の一部がシミになってしまう疾患を発症した子は4倍以上となっているそうです。

成人の場合、タンザニアでは40代の10人に1人が低視力、50歳以上の中高齢者は失明している人や視力が極端に低下している人が多いことがわかった。早い段階で老眼や白内障を発症している割合も高い。
出典:WOMAN SMART ビューティー

一般に目が良いというイメージのあるアフリカ人ですが、強烈な太陽光線によりこういった悩みを抱えているんですね。

 

近赤外線カット眼鏡を活用しよう

近赤外線を眼鏡で防ぐ場合、大きく2通りの方法が考えられます。

  1. 眼鏡屋さんで買う眼鏡に近赤外線カットのコーティングをつける
  2. はじめからコーティングのついたサングラスを使用する

①眼鏡を買う時、度数を決めてフレームを選んだ後、どのレンズを入れるかを聞かれます。

主な選択事項として、設計(歪みの少なさ)屈折率(レンズの厚さ)コーティング(レンズに付加する能力)を挙げられるはずです。
この中のコーティングで、傷つきにくい加工をしたりブルーライトカットをつけたり近赤外線を遮断する機能を追加したりが選べるわけです。

近赤外線は割と新しく出てきたコーティングで、眼鏡屋さんによってはレンズを扱っていない店舗もあるかもしれません。なので、お店を訪れた時に「近赤外線をカットするレンズはありますか?」と確認してみて下さい。

 

美ケアコートUVP

美ケアコート

特長 ①
肌のしわ、たるみの原因の一つと言われ、皮膚の奥深くまで届く近赤外線を約50%カット
特長 ②
レンズ正面から入り、目や皮膚に影響を及ぼすとされる紫外線をほぼ100%カット
特長 ③
通常のUVカット機能にプラスして、レンズの裏面で反射する紫外線を約95%カット

出典:セイコーオプティカル

私がお客様に近赤外線カットのレンズのおすすめを聞かれたら、こちらのコートを推します。

セイコーが製造している多機能カットレンズで、近赤外線を50%までカットすることが可能です。
現在流通している眼鏡レンズのコーティングでは最高のカット率で、HEVレンズの裏側から回り込んでくる紫外線にも高い対応性を誇ります。
さらに防傷や撥水に静電気防止の能力も備えているので、使用期間・健康面・美容面を総合的に考えた時、こちらのレンズが限りなくベストに近い選択肢になるかと思われます。

留意点として、レンズがやや黄緑がかった色になることと反射が発生することは覚えておいて下さい。
ただ、白い紙の上に乗せてようやくわかるくらいなので、普通に顔にかけている分にはほとんど意識に上らない程度なので心配はないです。

発売間もないレンズなので、お値段はお店によってまちまちですが、通常のレンズにプラスして¥8000~¥5000でつけられることが多いようです。

ちなみにフロンティアという練り込み式設計のレンズにこの美ケアコートを追加することで、さらにブルーライトカットの機能も充実させることが可能です。

 

エターナルスキンコート

エターナルスキンコート
出典:東海光学

東海光学製のレンズに装備できるコーティングです。
美ケアコートと同じように近赤外線カット率50%を誇り、肌の老化を抑えるのに大いに役立つでしょう。

ただ50%と書いてありますが、上図のレンズ分光透過率を美ケアコートのものと比べてみると、全体的にやや美ケアコートを下回るようです。
メリットとしては、レンズの色が美ケアより無色透明に近いので、色味を細かく気にする方は検討してみるのも良いかもしれません。

発売から数年経ったレンズですが、値段は美ケアコートと大きく変わらないところが多いようです。
こちらもウルトラシールドなどと併用することにより、裏面UVカットや防傷の機能を追加したレンズに仕上げることが出来ます

 

近赤外線カット付きサングラス

眼鏡の度を必要としないか、コンタクトレンズの上から使用する場合、既に近赤外線カットの機能のついたレンズが入ったサングラスを利用するという手があります。

様々な種類が出ていますので、値段とカット率とデザイン性を中心にオススメをいくつかご紹介します。

眼鏡の本場、鯖江が企画して製造したサングラス。
軽くて丈夫なポリカーボネートをフレームに採用しており、外出時のみならずパソコン使用時にも目の負担を軽減してくれます。
ページ中程まで行くとフレームの形が並んでいるので、お好みのデザインを選ぶことが出来ます。
色はブラウンの他、グレーやライトグリーンも別リンクに飛ぶ形で選択して下さい。


商品名はSUN SHELTER(サンシェルター)と言ういかにも日差しを防いでくれそうなお名前。
特筆すべきはそのカット率の高さでしょうか。
紫外線を約99.9%は当然として、ブルーライトを80%、近赤外線を97%以上カットというのは驚くべき数字です。
色はブラウンとブラックの二種で、上から下に向けてグラデーションのように色が変わっていくタイプのみとなっています。


東海光学内の美容と健康を守る、女性オンリーの開発チーム「女子開」が作り出したウルトラクラシックガードレンズ。
高いレベルでまとまったカット機能もさることながら、女性陣考案らしく上品なお洒落さを追求したスマートなサングラスです。細くしなやかなテンプル(側面部分)と重量16gという抜群の軽さが掛け心地の良さを保証しています。
フレームとレンズの色はセットになっていて、レンズの薄い方からBD/クリア、WR/ココアブラウン、BK/ブルーグレーとなっています。目的と好みに合わせた組み合わせを選ぶと良いでしょう。

眼鏡以外での対処法

主な対抗手段としては、日焼け止めが挙げられます。

特に最近は、近赤外線カットの効果を含んだ日焼け止めが発売されています。
使用者によると、通常の日焼け止めより肌がじりじりと焼けるように痛む熱作用が減じたという感覚が得られたそうです。
内側に浸透する光が近赤外線なので、芯に溜まるような熱が減ることにより効果を発揮したというのは実に納得できる話です。

他に、日傘や帽子がとても有効な手段です。
それぞれ何割かのカット効果を見込めますので、複数の手段を用いることで有害な光線に対抗する効果は間違いなく上がっていくでしょう。

光が強く降り注ぐ時間を避けて、肌をあまり露出せずに過ごしていくの重要です。

 

目元の若返り=アンチエイジング

とは言うものの、いつでも上記のような対策がすべて取れるわけではありませんよね。
毎回全部を持ち歩くのは荷物ですし、仕事中は帽子などをかぶるわけにもいきません。
だいたい、夏のうだるような暑さの中で長袖なんて着てられるわけもないですし…。

というわけで、せめて眼鏡だけでも対策を行っておきましょう。
眼鏡ならかけるだけなので、特に邪魔をするわけではないのが幸いです。

眼鏡だけやったところで効果は薄いんじゃないかと思うかもしれませんが、実はそうでもないんです。

顔の中で、目元周辺の老化は特に年齢を感じさせやすいと言われています。
人は話をする時は特に相手の目を見て話すので、相手の目元にシワがあったり垂れていたりクマが目立っていたりしたら、その人に実年齢以上に老けた印象を持ってしまうのではないでしょうか。

逆に目の周りに張りがあって綺麗な状態だと、周囲の同年代の方と並んだ時に若く見られることが多いのです。

また白内障の発生リスクを押さえたり老眼の進行を遅らせたりといった面からも、眼鏡でしっかりとカバーすることは大切だと言えます。

 

10年後20年後のあなたのために

繰り返しますが、紫外線も赤外線も無くなってしまっては困る存在です。
地表を暖めたりといった環境に依る話から、紫外線を浴びることによってビタミンDが生成され健康維持に一役買っているのは御存知の通り。

ただここ30年ほどで降り注ぐ光の量が増したことにより、私達も対応を変化させなければならなくなっています。
そしてこれからもこの変化は継続して起こることでしょう。

今だけではなく未来において大事な健康が脅かされないように、逐一情報をチェックしながら無理なく対策を取っていきたいものですね。