ツーポイントフレームは壊れやすいって本当!?耐久性が低くても長持ちさせる方法

その軽さと自然なデザインから一時期流行したツーポイントフレーム。今はリム太めのカジュアルフレームが多くなりましたが、まだまだ根強いファンがいるのがこのツーポイントです。
継続して使い続ける人の他、新たに試してみたいと思っている人も多いようで、定期的に相談を受けることがあります。

しかしツーポいえば、気になるのが耐久性がどうなのということ。
フレームの枠がないんだからそりゃあ気になりますよね。

この記事では、ツーポイントの壊れやすさについての実態と、何に気をつければ長持ちするのかをまとめてみました。
魅力的なデザインなのは間違いないですから、これを機にあなたの眼鏡の新境地を開拓しちゃいましょう。

 

ツーポイントの実態

確かにツーポの耐久性は低め

ツーポイントフレーム

改めて、ツーポイントってどんなフレームかイメージできますか?

普通の眼鏡はプラスチックにしろ金属にしろ、レンズのまわりがリム(枠)にしっかり覆われていますよね。
ツーポイントはこのリムをとっぱらって、レンズに穴を開けて直接ビスを打ち込んで固定したフレームを指します。
書いていて思いましたがアイディアがロックすぎる…。明治や昭和でも社交界などで新しいもの好きの人達が競って採り入れたというのも頷けます。

さてこのツーポイント、ごまかしてもしょうがないので正直に言いますがやはり耐久性に難アリです。
固定がレンズに刺さっているネジ部分のみなので、フレームに対する衝撃やチカラのかかりがモロにその一点に集中してしまうのです。結果ネジは緩むわ全体が歪むわ、特に左右のテンプル高がズレてしまいやすい印象があります。
しかも何故だか数年~10数年調整もせずに放置するユーザーが多く、眼鏡屋に持ち込まれるツーポイントフレームの惨憺たる有様といったら。

皆様よくこれがお顔にかかっていましたね!と何度言いたくなったか知れません。

勿論これは極端な話ですが、他のフレームより取り扱いに慎重になったほうがよいのは間違いありません。

 

レンズにも注意が必要

壊れるレンズ

そして問題はフレームだけに限りません。
衝撃が一点に集中するということは、そこに接しているレンズにもダメージが集まってくるということです。

主流のプラスチックレンズといえど、無理な負荷がかかればキズが入ったり割れたりすることは十分に考えられます。また周囲を枠で保護されていないので、眼鏡を落とした時に直接レンズが地面に衝突することになります。これが続くと表面の切り傷どころか角がかけるという事態にもなりかねません。

繰り返しますが、雑に扱うには向いていないフレームと言えます。

 

取り扱いの要点を抑えれば問題ない

さてここまでツーポを触れたら砕け散る思春期の心みたいな扱いで書いてきましたが、じゃあツーポやめるかと思うのはもうちょっと待ってくださいな。ブラウザバックもまだ早い。

耐久性について問題が表出してくるのは、あくまで雑に扱った場合の話です。
ポイントを抑えて接すれば、普通の眼鏡と実質遜色ない耐用年数で利用することが可能です。
かといって宝石のように丁重に扱えというわけではありません。最低限見ておくべき場所さえ注意を払っておけば大丈夫ですよ。

 

グラついたネジ(ナット)はすぐ締める

ぐらついたナット

眼鏡を留めるネジは、種類に関わらず時間が経てばゆるんでくるものです。メタルのフルリムフレームなどは、その緩みに気付かずにいつの間にか外れてレンズがポロッと落ちたなんてことが良くあります。

ツーポイントの場合、ネジがゆるむと手に持ったフレームがカタカタとグラついて揺れるのですぐ発見できます。これを放っておくと、揺れるたびに固定部に負荷がかかって更なる緩みを呼びます。ナット同士がこすれて摩耗しやすくもなるので、気づいたら直ぐにネジを締めるようにしましょう。

締める際は眼鏡屋さんに持っていくのがいいと思います。
先程からネジと言っていますが、ツーポのネジは通常のプラスマイナスネジと違って六角形の小さなナットで留める形になっています。これを締めるには専用の工具(ナット回し)が必要になりますが、普通の家庭にはあまり置いてないんじゃないでしょうか。

勿論安価で購入できるので、いちいち眼鏡屋に行くのが面倒ならご自身で締めることも可能です。
多くのツーポフレームでのやり方は、2本のナット回しでレンズの表裏からナットを挟み込んで時計回しに締めるだけ。ただし、強く締めすぎるとレンズが割れてしまうので力加減は特に気をつけてください。取り敢えずグラつきがしなくなればOKくらいの気持ちでゆるめにきゅっと締めてください。
フルリムフレームの時みたいにぎゅうぅぅっとやるとほぼ割れるので悪しからず。

 

必ずケースに入れる

メガネケース

これもシンプルですが有効な方法です。
眼鏡というものは、むき出しのままテーブルに置かれてり床に落ちてたりして上から踏んづけられるのが避けられない運命にあります。(ちゃんと管理してる人はゴメンナサイ)
そして荷重をかけられた時、普通に枠におおわれているフレームと比べて非常に脆いと言えます。パーツ量が少なくそれぞれにかかる負担が大きいので、普通ならちょっと曲がったかも?くらいで済むダメージでも気軽にひん曲がってしまうのです。

こういった危険性はメガネケースに入れておくことで回避することができます。
面倒かもしれませんが、一番簡単で効果のある方法ですので。

 

かけたまま寝落ちしない

眼鏡のまま居眠り

ツーポに向かない使い方の1つとして、夜寝るときに布団の中で本やスマホを見るのに眼鏡が必要になる人です。
横になりながら、というのは必然的に寝落ちの危険を孕んでいます。電気がついたまま眼鏡をかけたまま、眠りの浅い時に寝返りでゴロゴロゴロ。
当然眼鏡は顔と布団に挟まれてこねくり回されてしまいます。

すごい曲がり方をしている眼鏡は大抵「落として踏んだ」か「寝て起きたらこうなっていた」が原因なので特に気をつけるようにしましょう。

 

ナットの洗浄とワッシャーの交換

ナットの交換

あとひとつ劣化要因を挙げるとするなら、レンズを留めているナット部分が顔に近いため、汗や皮脂で汚れやすいということでしょうか。
例えば夏場でナットに汗がついたままにしておくと、そこからサビが発生したりしてナットが上手く留まらなくなったり外れにくくなったりするので、汚れが目立つ前に定期的に洗浄をすることをオススメします。

さらにナットの金属がレンズに直接当たらないよう、間にプラスチックのワッシャーが挟み込まれています。このワッシャーは経年で段々と削れていき、やがてその役割を保てなくなるかもしれません。
特に長年使い古したツーポなどは、ワッシャーがペラペラのシートみたいになっていて驚きます。そりゃあグラグラするわけだー。

調整をしに眼鏡屋さんに行った時、ついでにナットやワッシャーも見てもらって、摩耗していたら交換してもらいましょう。それくらいは無料でやってくれるお店がほとんどです。

 

かけ外しは両手で

両手

メガネ全般に言えるのですが、片手外しはテンプルに一方向の歪みを生じさせるので避けるべきとされています。
ツーポイントはこの片手外しに弱く、フレームの曲がりのみならずナットの接続部分にもダメージが入ってしまいます。ツーポをかけるようになると自然に両手外しが身につくくらい影響があるので、ツーポの利用を考えている人は今のうちから両手での掛けはずしを意識しておくと良いかもしれませんね。

 

ツーポイント活用のまとめ

ここまで見てきたように、ツーポイントフレームには弱点がいくつかあります。
しかし、それは普段の使い方で問題なくカバーできる範囲です。ちゃんと要点を意識して、長年同じフレームをレンズを替えながら愛用している人も多いので、過度な心配は無用です。

素顔のイメージを生かす、さりげないオシャレを楽しみたいならツーポイントに勝るものはありません。
うまく長持ちさせて、ツーポイントの魅せる雰囲気を楽しんでいきましょう。