眼鏡のネジが緩んでも心配無用!締め方のコツとお店でしてくれること

眼鏡は使っているうちにだんだんネジが緩んできます。そしてそれに気付かずある日突然ポロッとネジが外れ紛失してしまう。

ネジが外れてしまえばそこを抑えていたパーツ同士が外れてしまい、もはやまともに眼鏡をかけることができなくなってしまいます。

普段メガネをかけて過ごされる方にとっては死活問題となることでしょう。
直せるかどうかもわからず、もしかしてフレームを交換しなきゃいけなくなるんじゃ…と不安に思われるかもしれません。

安心して下さい、この場合基本的にはお店に持って行って修理してもらうことが可能です。

その際に掛かる費用や時間、 また近くにお店がない時など緊急時に自分で対処できる方法に関してご説明いたします。

 

ネジが外れたらまずはお店に持って行く

お店に持ち込まれるフレームのトラブルで、「メガネがずり落ちてきてしまう」と同じくらい多いトラブルが『ネジが緩んだ・ネジをなくした』です。

よくあるのが、ネジが緩んだことによりテンプルがしっかりと止まらず片方だけ固いとか緩いという状況になること。
緩みきってしまえば立てた時にパタンと落ちてきてしまうということもあるでしょうし、かけ外しの際に不便な使い心地になるかもしれません。

また、レンズを留めるリムロックという部分のネジが取れてしまえばレンズがフレームから外れてしまうことさえあります。

当然ながらまともに使用することはできないので、いずれにしてもまずはお店の方へ眼鏡をお持ちになることをおすすめします。

 

基本的に修理代は無料

ネジの締め直し、紛失による修理、どちらの場合も無料で行ってくれるお店が多いですね。

ネジは基本的な形のものは大体どの店舗でもある程度のストックがあるので、紛失した場合でも特殊な形状でない限りはすぐ新しいネジを入れて直してもらえると思って間違いないでしょう。

ちなみにそのお店で買っていないフレームでも、ネジ周りの修理くらいであれば快く引き受けてくれると思います。

眼鏡が不調な時にどれほど不便かは、それこそ私達店員が痛いほど理解していますので。
ただもしかすると他店購入品は有料に設定されていることもありますので、心配ならまずホームページやお電話で確認するのがよいでしょう。

 

どれくらいの時間で直してくれる?

次に、修理にかかる時間についてですが、ただネジを締め直したりだとか新しいネジを入れて留めるだけとかであれば5分とかかりません。早ければ30秒程度の作業です。

なので例えば仕事場の近くや通勤路の途中に眼鏡屋がある場合、忙しい方でも通りがかりにちょっと立ち寄ってサッと直してもらう、という形も全然アリです。

ただ、ネジが外しづらかったり、ネジ穴周りの劣化によってうまく締まりきらないこともあるので、やはり時間に余裕があるときにお越し頂くのがベストです。

 

修理が有料となるパターン

さて、それでは逆に修理にお金がかかってしまうパターンはどういったものがあるでしょうか。

①ネジ山潰れ、破損

ドライバーで何度かネジを締めた経験があればイメージできると思いますが、ネジの山というのは案外簡単に潰れてしまいます

例えば、古くなったり錆びたりして回しづらくなったネジをご自分で頑張って回そうとした結果、ネジ山の溝に力がかかり削れて溝が消えてしまいネジを回せなくなってしまうことがあります。また、さびたネジを強引に回そうとした結果、ネジの頭だけが折れてしまいねじねじの螺旋部分だけがネジ穴に取り残されてしまう場合も。
こうなるとドライバーだけではお手上げです。

そうすると、解決するために行うのが『ネジ抜き』という作業になるわけですが(ネジ下側からキリのような器具を突き刺して強引に押し出すように抜く)、これはお店によって有料となっている可能性があります

費用はせいぜい数百円程度でしょうが、店舗にネジ抜きの器材が置いていない事もあります。
そのときは自社の(あるいは提携の)工場へフレームを送ってネジを抜いてもらわなければならなくなります。

1〜3日かかることもあるので、ご自身でネジの調整をするときは気をつけましょう。

②特殊ネジ

フレームによっては店舗で在庫していないような特殊なネジを使用していることがあります。
その時もやはりお店ごとに対応は違いますが、300〜500円くらいのお支払いが発生するかもしれません。

取り寄せが必要になるネジであれば、メーカーから送ってもらう形になるので一週間くらいの時間を見て頂くこともあります。

③パーツ交換

眼鏡は分解するといくつかのパーツに分けることができます。
ネジ穴が原因であれば、交換する機会があるのは「フロント」と「テンプル」の二種類でしょう。

フロントはレンズを覆っている枠や鼻パッドまでを含めた前枠部分。
テンプルは耳に引っ掛ける側面部分全部を指します。

そのパーツ同士をネジなどで固定しているわけですが、ネジ自体が損耗する以外にもパーツについているネジ穴のほうが経年劣化していくことが考えられます。
ネジ穴がダメになるということはどんなに新しいネジに交換しても固定できないということになりますので、こうなるともうそのパーツ自体を交換せざるを得なくなるでしょう。

メタルフレームなどでレンズの周りを固定しているリムを留めているネジ部分に問題が出たり、鼻パッドについているネジ穴がダメそうならフロントを交換
フロントとテンプルを繋いでいる場所が故障したなら、どちらの穴に原因があるかを調べて対象のパーツを替えることになります。

パーツ交換は、同じ品番かそれに近い型のフレームを探して取り付けることになりますので、あなたがお持ちの眼鏡でそれが可能かは確認してみないとわかりません。

なのでこれもまずは眼鏡屋さんと相談してから、という形になります。

 

自分で修理する場合は慎重に

では、自分で修理する場合はどうすれば良いでしょうか。

ネジやパーツが壊れたり紛失したりであればお店に持っていくしかないですが、ネジの緩みや外れくらいであれば自分でできるならやってしまいたいですよね?

いくつか注意点を守れば難しいことではないので、チャレンジしてみる方は確認してみて下さい。

 

ネジの締め方、簡単なコツ

皆さんも今までに何かしらのネジを締めたという経験はあると思いますが、眼鏡のネジを締めるときは少しばかり勝手が違います。

例えば家にある電化製品や何かしらDIYで作ろうとするモノと比べると、眼鏡はかなり負荷に弱いということを意識して下さい。

フロントとテンプルを繋ぐネジを締める場合、手に持って締めてもいいのですが、ネジの裏側に指を当てて締めようとするドライバーからかかる力をそこで受け止めて下さい
下手に眼鏡全体を握って締めようとするとあちこちに負荷がかかり、フレームが歪んだり下手をすればパーツが剥離してしまうことがあります。

一番いいのはテーブルの縁にネジ留め部分を乗せ、テーブルで力を受け止めるように回す方法でしょう。

コツは、上から押し付ける力を7割、回す力を3割のイメージで締めることです。
こうすることでしっかりとネジが穴に嵌っていき、ネジ山をなめて潰す危険性が減ります。

鼻パッドのネジを締めるときも、ネジの後ろに指を当てて鼻パッドの根本に力が加わらないように回して下さい。

 

締めている途中、ドライバーが滑って指やレンズを傷つけてしまう心配もあるので、できれば柔らかい布(メガネ拭きがベスト)でレンズ等を保護しながら行うと安心です。

 

修理に必要な工具

プラス、もしくはマイナスのドライバーでほとんどの眼鏡のネジは締めることが出来ます。
ただ、眼鏡のネジはかなり小さいので使うドライバーもそれに合ったサイズのもの、できれば専用ドライバーを使って下さい。
ネジと径が合っていないドライバーだと力が上手くかけられずに、ネジ山を潰してしまう危険性が増します。
眼鏡によって使われているネジのサイズは微妙に違うので、複数のサイズがセットになった精密ドライバーを手に入れておくと良いでしょう。

例えばこちらのANEX製であれば先端の角度がしっかりついていてネジをうまく噛んでくれるので、ネジが回らないとかネジ山が潰れたといった事態を防ぎやすいのでオススメ。

最近は少なくなってきましたが、ツーポイントというフレーム(レンズ枠がなく穴を開けて固定するタイプ)の場合は六角ドライバーが必要になってきます。お持ちの方は少ないでしょうし、強く締めすぎるとレンズが割れてしまうのでツーポイントに関してはお店にお任せするのが良いでしょう。

 

どんなに締めても緩む時の直し方は?

ご自分で行うネジの締め方を前述しましたが、どうでしょう、ちゃんと締まりましたか?
おおよそは大丈夫なのですが、ネジやネジ穴の劣化が広がると、残念ながらかなり頑張って締めてるハズなのにテンプルを動かすとパタパタ緩いままということが時たま起こります。

そんな時は諦める前に、次に挙げるいくつかのポイントを確認して試してみましょう。

 

①ネジを一旦緩めてから締める

ちょっとしたコツとして、一旦ネジを軽く緩めてから勢いをつけて一気に締めるとイイ感じに締まってくれます。
緩める量はほんの少しで大丈夫。わずかに左に回したあと、ドライバーをしっかり握り込んで時計回りに手首を半回転させる間にケリをつけるイメージです。もちろん上から押し込むことも忘れずに。

腕の重さも利用して、ぎゅっと雑巾を絞り込むように捩じ込みましょう。

 

②ワッシャーが外れてないか

眼鏡によっては丁番の合口(フロントとテンプルのネジ穴同士を重ねる場所)にワッシャーを噛ませている場合があります。
ワッシャーとは数ミリの平たい丸リングのことで、これを入れることで接合部の保護や緩み止めの効果が生まれています。(平たい通常のワッシャーと段付きワッシャーが存在)

眼鏡を使用しているうちにこのワッシャーがすり減って役目を果たせなくなったり、ネジを外したときにワッシャーが脱落してしまうと、いくらやってもネジが緩むことを止められません。

眼鏡屋さんで新品に交換してもらうか、手元にあるならご自身でつけてみるのもいいでしょう。その際は水で濡らした指にワッシャーをひっつけて合口にとりつけることで、水でワッシャーが接着され外れにくくなるので作業が非常にやりやすくなります。オススメ。

ワッシャーサイズは外径3.0mmが多く、合わなければ2.8mmのものを使ったりします。

 

③ネジが短くないか

途中でネジを入れ替えたときに起こりやすいのですが、本来のネジ穴の長さに対してネジが短すぎても緩みやすくなる可能性があります。ネジ穴の底側からネジが飛び出しても皮膚にひっかけて危ないですから、なるべくぴったり収まるような長さのネジを探して入れて下さい。

 

④ネジやネジ穴の汚れ

ネジやネジ穴に皮脂やホコリなどの汚れが詰まっていたり、汗や水分によるサビが溜まっていたりするとネジ締めの妨げになります。
接合部を柔らかい布かティッシュで拭って汚れをとってあげて下さい、取り切れない場合は眼鏡屋さんに置いてある超音波洗浄機にかけると隙間汚れが面白いように浮いてきます。できればネジを外してネジ穴部分とバラにしてから超音波にかけるとなお良いでしょう。

 

⑤緩み止め加工ネジや太めネジを使ってみる

ネジの中にはアロック加工(緩み止め加工)がされたネジが存在します。
特殊なナイロン樹脂をネジの上に接合することで摩擦が強くなり緩みにくくしたネジのことで、これを使うと多くの案件が片付くので重宝しています。丁番に使われるネジ直径は大体1.4mmですが、アロック加工は1.4mmのままネジのドリル部分に色のついた樹脂がひっついている感じ、太めネジは1.42mm等となっています。

ただこのネジはその辺のショップで簡単に見つからない可能性もあるので、眼鏡屋さんに頼んで使用してもらうほうがいいかもしれません。

 

ネジをなくしてしまった場合の代用品

ネジが紛失してどこかにいった、でも出先で眼鏡屋さんに行く余裕がない、そんな緊急事態に強引に対処するとしたら、身近なものを利用するしかありません。

・爪楊枝をネジ穴に突き刺して余った部分を切り取るか折っておく。
・輪ゴムで何重にも巻いて動かないようにする。
・糸を穴に何度も通して固定する。

といったことが考えられますが、安定性が足りないでしょうし、何より見た目に問題アリアリです。
あくまで緊急の措置と割り切って、すぐにお店に修理に行くようにして下さい。

ちなみに接着剤を使用するのはオススメいたしません

素材によってはフレームの劣化・色落ちを招きますし、ネジ穴に接着剤が流れ込んで修理が出来なくなる場合があります。
使用した時点で修理をお断りするお店もあります。

 

まとめ

このように、眼鏡のネジ締めは難しくありません。
コツさえつかめば誰でも簡単に行うことが出来ます。

ただ、だいぶ古くなった眼鏡や衝撃で曲がってしまったような眼鏡はネジ部分にも故障を抱えていることがあります。

少しでも怪しいなと思ったら、無理をせずにお店に持っていってくださいね。

せっかくなので、ネジ以外にもお手持ちのフレームに異常がないかを調べてみましょう。
放置すると身体の調子にすら影響するのが眼鏡です。こちらの記事でカンタンにできるフレームチェック方法を紹介しています。