お化粧のひとつに「チークメイク」がありますよね。
なんとそれを眼鏡で代替してしまおうという発想の『チークカラーレンズ』がJinsから発売されているのを皆さんご存知でしょうか。
2022年11月現在、眼鏡屋さんとして体系立ててそれ専用に販売しているのはJinsだけ(確認できる限り)。
もちろんそちらでお求めいただければと思うのですが、私共のお店にご来店いただいたお客様の中に、
『他の色を探しているのでjins以外で売っているお店はないの?』
というお問い合わせを何件か頂きました。
正直今のところはないですよというお答えにはなるのですが、もしどうしてもという場合に、他の眼鏡屋さんでも無理矢理チークレンズと似たような眼鏡を作る方法が存在するのでご紹介しておきます。ちゃんと好きなフレーム・好きな色・好きな度数で作れますよ!
すべての眼鏡屋さんが受け付けてくれるとは限りませんし、Jinsのチークレンズとは少しイメージが異なる可能性があります。それでも試しにやってみたいという人はこのまま読み進めていってください。
チークカラーレンズの眼鏡とは?
お店に寄った人は見かけたことがあるかもしれませんが、
こんな感じのレンズです。
レンズの下半分に薄めのカラーを入れることにより、頬にチークメイクをしたのと同じような状態を再現しているわけです
これなら。
そもそもチークメイクは
- 血色感アップ
- 顔周りが明るくなる
- 顔に立体感・メリハリがついて小顔効果などを演出
- シミ・ソバカスが目立たなくなる
こういった効果を期待して入れるわけですが、最近はマスクのせいでメイクがすぐ落ちてしまったり、そもそも位置的に頬が隠れてしまって効果が薄いなんてことになりがち。
そこで登場したのがJinsのチークレンズなんですね。
コレならばメイクが取れる心配もなく、またメイクする時間がゼロで手間がかかりません。
複数本のカラーを使い分ければその日の気分で顔のイメージを何種類も演出することができますし、まあよく考えたなと感じるところです。
チークカラーレンズの眼鏡をJins以外で作るにはどうすればいい?
Jinsで用意されているチークカラーは現在3種類。
ピンク(明るく華やか)
Jins WEEKLY
Jins開発部が試行を重ねて生み出した3カラーで、それぞれ目元から下のエリアがほわっとした明るさに包まれていてなんだか好印象ですね!
非常に素敵な仕上がりですが、こうして見てみると確かに別の色も試してみたくなる気持ちもよくわかるので、それ以外のカラーを入れる方法を見ていきましょう。
レンズ逆転!まさかの逆グラデーション
その方法自体は至って簡単。
眼鏡屋で色付きレンズを作る場合、アリアーテカラーと呼ばれる予め準備されたプリセットから色を選びます。
この時色の濃さの他に、フルカラーかグラデーションかを選ぶことが可能です。
グラデーションは上の方から下にかけて徐々に色が抜けていくレンズ。(写真は15G)
オプティコモダ
ここまでくればおわかりでしょうが、今回ご紹介する方法はこのグラデーションを逆に入れて加工します。
するとどうなるかというと、
こうだ!(手抜き)
非常に無理矢理感が否めませんが、それでも一応チークカラーとしての体を成していると言えるでしょう。
ナチュラルメイクの15G、バッチリメイクの25G
ちなみに選べる濃さはいくつかありますが、チークレンズに向いているのは15Gと25Gのふたつ。
これ以上は濃すぎてもはやチークどころの話ではないので割愛いたします。
当店ではまだなのでサンプルがないのですが、実際にこの逆グラデーションで作成されているお店さんがありましたので引用させてください。
E-ZONE
グロウオレンジ(15G)
2種のうち薄いカラーである15Gはそこまで色が目立つこともなく、さりげなくスマートなオシャレさを醸し出したい場合にオススメ。
画像のようにオレンジや明るいブラウン系なら非常に肌なじみが良く、Jinsのチークレンズに近いものを求めるのならこちらになるでしょう。肌質とは離れた色を選択する場合も、悪目立ちしないように15Gを選んでおくのば無難です。


フェアオークル(25G)
反対に、見てもらえれば分かる通り25Gはかなり濃い目の仕上がり。
実際に頬紅などを入れたとしたら濃いどころの話ではないですが、明らかにレンズにカラーが入っているのがわかるため十分にファッションとして通用します。
周囲に色をアピールするように、明るさ可愛らしさ元気の良さをアグレッシブに押し出していくのに向いています。
実際に作る場合の注意点
このアリアーテカラーというのは眼鏡業界のスタンダートカラーで、ほぼどこのお店でも作ることが可能。
価格は通常レンズにプラスして2200円~3300円のところが多いですね。
ただし、やはり普通はやらない作成法なので注意しておくべきポイントがいくつかあります。
①イメージとは違う出来栄えになる可能性がある
ここまで見てきたjinsチークレンズとアリアーテ逆グラデーションを比較してみると、アリアーテの方が色の範囲が広いのがお分かり頂けるでしょうか。
基本的に加工前の丸いレンズ生地の中心を基準にして削り出すため、大体半分くらいの位置から色が抜け始めていきます。
jinsチークレンズはさりげなくワンポイントとして色が入るようになっているため、カラー範囲は下1/3あたりまでしかありません。なのでアリアーテで作る場合は思ったより広く色の影響を受けることを認識しておいて下さい。
②色選びが難しい
アリアーテは上記12色から選ぶことになるわけですが、そもそもチークとして作られた色ではないので目的に合致した色が見つけるのが難しいかもしれません。
一応独断で私見を述べておきますので参考になれば幸いです。
定番のピンクっぽい色は強いているならグロウボルドーですがやや暗いかなという印象。
スパーキーピンクという見事に桃色カラーもあるのですがこれはグラーデションに非対応。
元気系のオレンジなら溌剌なグロウオレンジ、それより幾分大人し目のフェアオークルが良いでしょう。
クールで涼しげなイメージが欲しいならばトゥルーパープルがまあアリかな…?
これら以外だと暗色や寒色が多く、チークとしては不向きかと思われます。
③制作時に濃さがブレる
このアリアーテレンズは、まず最初に通常のクリアレンズを作ってからそれを染色液に浸けることで出来上がります。
この浸ける長さで色の濃さを調整するため、実はかなり繊細な作業。その時の染色液の濃さや浸け時間のわずかな差でやや色味に誤差が発生してしまいます。
なので全く同じ色を指定していても、もしかすると違いを感じてしまう可能性があります。
④フレームによって範囲が変化する
先程レンズを加工する際は丸生地中心を基準にして削り出すと書きましたが、その関係上どこまでの範囲が使われるかはフレームのレンズサイズによって左右されます。
大きな玉型のレンズならば下の方の色まで削り出されるので完成品は濃い目に感じることでしょう。
逆に天地幅の狭いオーバルのようなタイプは、中心にほど近いエリアしか削り出されないので思ったより薄い印象を受けるんじゃないかと思います。
⑤お店によっては断られるかも
それなりに長く店舗販売を行ってきましたが、ぶっちゃけ「逆向きにグラデーションを入れて作ってください」なんて言われたことありません。
チークレンズの概念が生まれたのも最近ですから、あなたが突然眼鏡屋さんに出向いていってこの作り方をお願いしても快く引き受けてくれるかは五分五分です。
無理矢理やるにしても、イメージ通りにならなかった結果お互い微妙な空気になりかねないので、予めそのあたりを強く念押しされるハズです。わかりませんが、個人店のほうがこういった部分は融通が利くかも…?
まとめ
さて今回は今後流行るかもしれないチークレンズの代替案についてご紹介してきました。
本文に繰り返し説明した通り、この方法は通常とは違うためある程度予想と勘に任せた作り方になります。
実際の出来栄えは完成してみないとわからない感じで、こればっかりはやってみないと何とも言えないんですね。
ですがその代わりに本来になかった選択肢が増えることも確かなので、興味がある人は検討してみて下さい。
よく考えるとこのやり方をしている人はまだあまりいないでしょうから、未来のモードを先取りしていると言えるかもしれませんね!