今日からカンタン白内障予防!お手軽対策で一生使える目にしよう

白内障の予防、ちゃんと行っていますか?

年齢が上がれば自然になってしまうんだから仕方ないとか、紫外線がよくないらしいと聞くけどどう防ぐのがベストなのかイマイチわからないとか。
何となく放っておくのはマズいと思いつつも、本腰入れて対策に取り組んでいる人が少ない印象を受けることが多いです。

でも最近では、ちょっとした行動が白内障予防につながることが解ってきました。
決して白内障にならずに済むというわけではないのですが、進行を遅らせて発症年齢を上げる効果は充分に期待できます。

この記事で、いくつか種類のある白内障におけるそれぞれの原因と予防法を案内していきましょう。

 

白内障にも種類がある

白内障とひとくちに言ってもその原因は様々です。
年齢とともに自然に発症するのはよく知られていますが、それ以外にも外的要因だったり先天的になりやすい人がいたりといくつもパターンがあります。
ということは、それに対する予防も分けて考えなければいけないということですね。

加齢性

年をとった目と手

最も一般的な白内障要因。
早ければ30~40代から症状が出てくる人もいます。60代で半分以上発症し、80代ともなればほとんどの人が白内障であるとされるくらいにポピュラーな眼病です。
病と書きましたが、これだけ誰にでも起こることからもはや老化現象として分類される場合もあります。

白内障は水晶体の中にあるタンパク質が様々なストレスやダメージを受けて白く変質してしまう症状。
このストレスで一番大きいのが加齢からくる酸化ストレスで、この変化自体を完全に防ぐことはできません
黒目の周辺部から白く濁り始めることが多いので(皮質白内障)、その場合初期段階では自分が白内障であると気付くのは稀です。つまり、自覚症状が出た時には相当進行している状態であることが多いです。

 

疾患性

糖尿病検査

糖尿病性白内障

高血糖の状態が続くと、ソルビトールという糖が水晶体の中に溜まっていって白内障として現れることがあります。
糖の高い値が続くというのが条件なので、年齢に関わりなく発症します。20代で手術を余儀なくされた症例もあるので、若いからと油断は禁物です。

進行スピードが早いのも特徴ですが、水晶体の後方にある嚢部分から影響を受けるため(後嚢下白内障)、初期段階で視力が落ちはじめて早期発見に繋がることもあります。

アトピー性白内障

アトピー性皮膚炎に悩まされている方にも白内障を併発する事例が報告されています。

こちらも確たることは分かっていないのですが、かゆみで目の周辺をかいたり擦ったりすることによる物理的な影響や、免疫の変化がもたらす症状ではないかという指摘がなされています。
特に重度のアトピーではステロイドを長期間使用することがありますから、免疫異常が起こりやすいのも要因としてあるのかもしれません。

 

紫外線

紫外線降り注ぐ空

近年注目度が増しているのが紫外線による白内障への変性です。

強力な太陽光線が含む紫外線は、水晶体にとっても酸化ストレスを増加させる要因となり得ます。
主なものとしては、紫外線を角膜に浴び続けると炎症を起こすことがあります。太陽光に含まれる光の中で、紫外線は波長が短く保持するエネルギーが高いので、目や皮膚などの敏感な器官は影響を受けやすいんですね。
角膜炎を起こす機会が増えると、水晶体の内部にも変化が起きて白内障症状として現れるわけです。

白内障の疫学研究においても、紫外線の強い地域と弱い地域では明らかな発症率の違いが見られるという結果が報告されているので、やはり警戒しておくに越したことはないでしょう。

 

外傷性

水晶体に含まれるタンパク質は、熱が加わったり衝撃を受けたりすることで変質する特性があります。
端的に言うと、目をどこかにぶつけると白く濁る可能性があるのです。

これを外傷性白内障と言いますが、事故に遭ってしまった人やぶつかり合いのある激しいスポーツなどをしている人でよく見られるタイプの症例です。
ぶつかった衝撃だけでなく、眼球を切ったり異物が入り込んだりした場合もタンパク質にとっては大きなストレス。ダメージを受けた部分が濁って視界を遮る結果になります。

 

先天性

赤ちゃんの白内障

後天的な要因ではなく、生まれた時から白内障の因子を持ってくる人もいます。
母体が妊娠中に感染した風疹などが原因であるとされ、赤ちゃんの時点で白内障を発症しています。

先天性の最大の問題は、発症しているのが赤ん坊であるため周囲の大人が発見しなければならないという点でしょう。本人に自覚症状を訴える手立てがないので、主に両親が赤ちゃんの見え方をチェックしてあげる必要があります。
赤ちゃんは成長するにつれ視覚が発達していきますが、生まれて数ヶ月経っても目の前にかざしたものへの反応が鈍いようなら眼科医に相談をしたほうが良いかもしれません。

目が見えづらいということは、視覚から受ける刺激が減り幼少期に最も重要な脳の発達を促すことができなくなるからです

 

目の酷使

タンパク質を変化させる酸化ストレスは、単純な怪我や病気だけではなく、目の使いすぎに依る疲労によっても発生します。

長時間のパソコンやスマホは、疲労のみならずブルーライトを浴び続ける時間も伸びていくため、白内障の低年齢化を促進しているのではと言われています。

 

すぐに出来る白内障予防法

紫外線の軽減

眼鏡で紫外線を減らす

現在販売されている眼鏡やサングラスには紫外線カット機能が標準搭載されています。
例えばサングラスでよくある説明を見ると紫外線透過率0.1%などと出ていますね。これはつまり99.9%紫外線を遮断しますよ、ということです。
裸眼で無防備に太陽光を浴びてしまうのとは雲泥の差ですので、仮に伊達だとしても外出時にはいずれかのアイウェアを着けて行くことをオススメいたします。

ちなみに紫外線のカット率とレンズの色の濃さは無関係ですので、かけるのは通常の眼鏡とサングラスのどちらでも構いません。むしろ色が濃いほど瞳孔が開いて紫外線を取り込む量が増えるので、眩しさ避け目的でない限りはクリアレンズを使用したほうが良いでしょう。

ただしここで注意点がひとつ。
一口に紫外線と言っても光の波長の長さで何種類かに特徴が分かれていて、レンズによって防げる範囲も決まっているということを覚えておいて下さい。

光の波長域図
出典:ERICA OPTICAL

上記は光の波長の分布帯を表した図です。
左に行くほど波長の短い波で、紫外線は100nm~400nm(上は波長の一部を切り取った図のため300nm~となっています)となっています。

先程説明した紫外線99.9%カットというのは、実は『この内の380nmあたりまでを99.9%カットしていますよ』という意味に他なりません。それ以上の波長になると、カット率が減衰して充分な遮断率ではなくなってしまいます。
そして最近、400nm~420nmの波長帯の光(HEV)が、角膜をすり抜けて届くため白内障の要因になっているのではないかと言われるようになりました。つまり、標準でついている紫外線カットでは白内障予防においては不足している可能性があるのです

なので眼鏡屋さんでレンズを入れるときに、この420nm帯までをカットするコーティングがついたレンズを選んでみて下さい。各社それぞれ独自の光波長カットレンズを開発しているので、店員さんに相談すればそのレンズを紹介してくれます。

 

生活習慣の改善

目の健康に良い食べ物

白内障原因として、糖尿病以外にも高血圧や肥満が症状を進行させます。
また、これらを治療するための投薬ですらもさらなる酸化ストレスが瞳にかかることがわかっています。まさに踏んだり蹴ったりですね。

しかし幸いなことに(?)、上記は生活習慣病の案件と丸かぶりです。
つまり生活習慣病を予防しようとすれば、それがそのまま白内障の予防にも繋がるわけです
過度の糖分や脂肪分の摂取を控え、適度な運動を習慣にして、喫煙や飲酒もほどほどで抑えましょうといういつものヤツです。
まあそれができれば苦労はしないよと言われてしまうとそれまでなのですが、白内障はそのままにしておくと失明に発展する病気。心身の健康を保つ良い機会を得たと思って取り組んでみるのが良いのではないかと思います。

あとは、抗酸化作用の高い食べ物を積極的に摂っていくことも重要です。
例えばビタミンC、ルテイン、DHA、ミネラル、アントシアニンなど。
有名どころが並んでいますね。既にいずれかについて意識して摂取いる人は是非そのままの習慣を続けて下さい。
揚げ物やスナック菓子を少なめにしておくのももちろん大事です。

 

目の休息

目に無理をさせ過ぎないことも重要な要素です。

人間は五感のうち視覚を最も利用して生活をしています。なのでただでさえ目には普段から負担がかかっているわけですが、現代ではパソコン作業などで特にそれを悪化させる環境が増えてしまいましたよね。
というわけで、目の休息は意識して取るようにして下さい。

目をリラックスさせるタイミングを作り、白内障化のストレスから守ってあげるのが一番お手軽な予防法です。

とはいってもなかなか習慣づかないよという方はこちらの記事をご覧ください。
休息の重要性と習慣化のコツをまとめてあります。

 

大事なのは早く気付くこと

まとめると、

・紫外線に対する防護
・生活改善によるアンチエイジング
・目に無理をさせない

といった辺りを重点的にこなしていくのが良さそうですね。
いずれの予防法にしても、早く始めれは始めるだけ恩恵を早く受けることが出来ます。

他にも白内障の初期治療として、点眼薬を使用して進行を遅らせることもよく行われています。
つまり症状を早めに発見できさえすれば、実際に影響が出始めるまでの時間を長くすることが適うのです。

少しでもおかしいなと思ったら、眼科にかかることを躊躇わないほうが良いでしょう。
ある意味、それが一番の予防法です。