コンタクトをつけたまま寝ても平気な長さは?やってしまった場合のケアも知っておこう

コンタクトレンズをつけっぱなしにしたままうっかり居眠りをしてしまった!

ついついやってしまいがちなトラブルに、コンタクトの外し忘れがあります。
寝るときは外さなければいけないのはわかっていても、面倒くさくてあとにしようと思っているうちに気づいたらうたた寝をしてしまい、気づいたらそのまま朝まで…なんてのはよく聞く話です。

眼球に直接貼り付けるコンタクトレンズは高度管理医療機器に指定されていることからも分かる通り、取り扱いに慎重になるべきアイテム。
つけっぱなしで寝てしまったらどうなってしまうか不安になりますよね。

 

  • コンタクトをつけたままの居眠りはどれくらいの時間なら大丈夫?
  • それとも少しの時間でもアウト?
  • もし寝てしまったらどうすればいい?
  • そもそもつけっぱなしでいられるコンタクトレンズはないの?

 

こういった疑問にお答えしていきます。
普段から気になっていた人や今まさにコンタクトをつけたままのお昼寝から起きたばかりの人はぜひ最後まで読んでいってください。

 

※注意※ この記事はコンタクトをつけたまま(仮に短時間でも)寝ることを推奨・完全に無害とするものではありません

 

コンタクトをつけたまま寝てはいけないと言われるのはナゼ?

そもそもにおいて、コンタクトレンズをつけたまま居眠りをしていけないのはどうしてでしょうか。

いくつかありますが、おおざっぱにこういった危険性が挙げられます。

  1. 目が酸欠になる
  2. 菌に感染しやすくなる
  3. 炎症でコンタクトがつけられなくなる
  4. 視力が出にくくなる
  5. レンズが行方不明になる

 

眼球-角膜(黒目の部分)は皮膚と同じように呼吸をしています。
なのでその呼吸が妨げられてしまうと、上記のような症状が出てしまうわけです。

軽症なら目の違和感や少し乾く気がするくらいで済むかもしれませんが、重篤な症状になると感染症による失明原因になったり炎症でまばたきをするたびに激痛が走ったり…。
考えるだけで恐ろしいですね。

角膜は涙の水分から酸素を取り入れるため、角膜を覆うコンタクトレンズをつけている場合はまばたきをすることで涙の循環を促して、角膜に酸素が届きやすくなるようにします。

ということは、居眠りによりまばたきをしなくなってしまったら?

そう考えると、コンタクトをつけたまま眠ってしまう危険性をイメージできるかと思います。

 

実際つけたままでも(比較的)平気な長さはとは

さてここで問題になるのは、どれほどの時間でダメージが出てくるかということでしょう。

コンタクトをつけたまま寝てしまうといっても、
数分だけうたた寝をしてしまっただけ
何時間も昼寝をしてしまった
何日もつけたまま外さずに過ごす

と色々なパターンがあるかと思います。
それぞれの時間でどういった影響が起こりやすいかを見ていきましょう。

 

短時間(数分~数十分)

例えば、
・テレビを見ている最中にいっときだけ眠ってしまった。
・授業中に少し居眠りをしてしまった。

時間にすれば数分~数十分程度の睡眠であれば、そんなに心配する必要はありません。
これくらいなら目の中の酸素が欠乏するとまではいかないので、すぐに何かが起こることはないでしょう。

しかし新しい酸素が届かなくなっていることは間違いないので、これを毎日毎日何度も繰り返すようなら徐々に悪影響が出てくることは考えられます。
基本はコンタクトをつけたまま寝ないように注意して、たまにやっちゃったくらいなら気にしない、それくらいに考えておけばいいのではないかと思います。

数時間~一晩

・軽く横になるだけのつもりががっつり寝てしまった。
・スマホやゲームをやっているうちに寝落ちして気がついたら朝だった。

このようにコンタクトをつけたままの睡眠が数時間以上に及ぶと、少々問題が起きてきます。
酸素の枯渇もそうですが、目の中の水分もかなり失われるため起きたときに目がかなり乾いた状態に感じることが多くなってくるでしょう。

ドライアイになりやすくもなるので、後述するケアをしっかり行って対策しておいて下さい。
まあこれも常習にならなければ1回や2回でそこまで問題になる確率は低いですが、重篤な病気になる可能性もなくはないので、その後は同じことを繰り返さないように注意していく必要があります。

数週間~数ヶ月

ハッキリ言ってここまでくると非常に危険です。
むしろ目に大した影響が起こらなかったら奇跡ですね、となるレベル。

眼内に発生した雑菌が大量に繁殖し、それに反応した抗体によってコンタクトアレルギーになる人も多いです。二度とコンタクトレンズがつけられなくなったり、まばたくをするだけで目が痛んで日常生活に支障が出たり、下手をすれば失明につながる疾患を併発することもあります。
コンタクトレンズの使い方の中で最も危険なパターンですので、「ずっとつけててもちゃんと見えてるから平気だよ」と思ってる人はお願いですから今すぐ外してお医者さんにかかって下さい。

どこのどんな眼鏡屋も眼科医も同じことを言うくらいの事態です。

 

寝てしまったあとの対処法、ケア

危険性を承知しつつも、つい油断してコンタクトのまま居眠りをしてしまうこともあるでしょう。

では、その場合どんな対処をするべきなのか?

 

まずは目にうるおいを取り戻すことが最優先○

起き抜けは目が乾いたような感じになることがありませんか?
これは前述の通り、睡眠中にまばたきをしないことで目の表面上にうるおいが行き届かなくなっているためです。

コンタクトレンズを付けたままこの状態になると、目とレンズの間の水分も少なくなり、コンタクトが目に貼り付いたような状態になってしまいます。急いでコンタクトを外そうと思ってもうまくいかず、無理にはがそうとして眼球を傷つけてしまう可能性もあるため、まずは目にうるおいを取り戻すことを優先して下さい

目薬を常備しておき、起きたらすぐにさしておきましょう。
合わせてまばたきを何度も繰り返せば、徐々に目とレンズの間にも水分が浸透していき外しやすくなります。目薬の後すぐ外してもいいですが、不安なら一旦他の行動をしながら5~10分おいた後に試してみるのもいいんじゃないでしょうか。

仮にそれでもなかなかうまく取れなかったら、その日はそのレンズをつけっぱなしで活動して大丈夫。
お昼や夕方頃にまたチャレンジするほうがもっと取りやすくなっているので、朝に慌てて取らなくても問題ありません。

○目を休ませる期間を取っていこう○

コンタクトレンズをつけたままの睡眠は、少なからず目にダメージを与えるもの。
この場合有効なのは、コンタクトレンズをつけずに過ごす目の休息期間を設けることです。

目に限らず人間の細胞は再生機能があるので、傷ついたり異常が出た場合は修復する働きが発生します。目が元通りの状態に戻ろうとする作用を邪魔しないために、コンタクトレンズを一定時間外しておくのが有効とされています。

例えば家に帰ったらすぐにコンタクトを外す習慣をつけるとか、休日はコンタクトではなく眼鏡で過ごすようにするとか、無理のない範囲で構いません。
調子が良くないなと思ったら、イメチェンだと思って1週間くらいコンタクトなしで生活してみるのもアリでしょう。

考えてみるとコンタクトでなければならないタイミングというのはそこまで多くないはずなので、コンタクトをつけたまま寝をやらかしちゃったなーと思ったら、その分意識的に目を休ませてあげるようにしてあげて下さい。

 

つけっぱなしでも大丈夫なコンタクトもある

ではつけたまま寝ても大丈夫なコンタクトレンズはないのでしょうか?

実は長期装用を前提としたコンタクトが実在します。

 

コンタクトレンズの箱の裏面を見てみると、「終日装用」や「連続装用」と書かれていることがあると思います。

終日装用…一日中つけていられるが、一日の終わりには外して洗浄・保存を行うレンズ
連続装用寝るときも含めて期間中ずっとつけっぱなしで良いレンズ

そう、この連続装用に対応したコンタクトレンズであればうたた寝もガチ寝も思いのまま。
どうしてもうっかりやらかしてしまうことが多い人は、連続装用可能なレンズを試してみるのをオススメいたします。

エアオプティクスEXアクア(アルコン)

特筆すべきはなんといっても、裸眼時と比較して酸素を99%通すという破格の数字。
同じように酸素を通しやすいシリコン素材の他のレンズと比べても高い数字で、長期間つけたままでも目に負担がかかりにくい素材となっています。

ちなみに珍しい1ヶ月交換タイプなので注意しましょう。
箱に3枚入っているため、2weekと全く同じで左右1箱ずつあれば3ヶ月使える計算になります。

フレッシュフィットコンフォートモイスト(ボシュロム)

こちらは2週間交換タイプの連続装用レンズ。
エアオプティクスと同じように高い酸素透過率で潤いを長くキープしてくれます。ただし、

「メダリスト フレッシュフィット コンフォートモイスト」は最長1週間つけたまま(就寝中もレンズを装用)での使用が可能です。  出典:ボシュロム

とあるように、外さずにいられる期間は最長で1週間となっていることを覚えておきましょう。

1週間つけたら寝るときに一旦外して洗浄・保存。翌日あらためて装着してさらに1週間経ったら外して捨てる。
このサイクルを繰り返す形になっています。

 

連続装用レンズについての注意点

 

ただし、あくまでも連続装用の許可が降りているというだけなので、絶対に問題が起きないというわけではありません。他のレンズに比べればトラブルの発生率は低いでしょうが、実際問題どこまでつつがなく装用を続けられるかは個人差があることを覚えておいて下さい。
特に飲酒量の多い人やアレルギーのある人は影響が大きい場合があります。異常は自覚症状が出る前に発見できるのがベスト。
連続装用を行うのなら、通常のレンズよりさらに気をつけて定期的に眼科で目の状況を確認してもらうのを忘れないようにして下さい。