- カラコン使ってみたいから、いつものクリアコンタクトの上につけてみる
- 度数が上がって見えにくいケド、二枚重ねれば解決じゃね!?
- 友達と会う数時間だけ盛りたい、ちょっとだけなら大丈夫?
こんな理由でコンタクト二枚重ねにチャレンジする子が意外と多いらしい。
なるほど、一見たしかにうまく活用してるような気もしてきますね。
でもちょっと待って。
コンタクトは二枚重ねると色々アブナイよというのはあちこちで聞くと思いますが、
そもそもの疑問として二枚重ねてちゃんと見えるのぉ?
というわけで今回は、
本当にコンタクト二枚重ねに効果があるのか、それがダメなら他にどうすればいいのかをちょっと考えてみました。
コンタクト二枚重ねると視力はどうなる?
度なし+度ありは見えるかも。度あり同士は悪化する可能性が高い
コンタクトを入れると見え方が良くなるのは、外の景色の映像がコンタクトレンズを通すことでちょうどよく見えるように曲がってくれるからです。
だいたいこんな感じ。
左が裸眼でぼやけてて、右はコンタクトを入れることで目の奥の網膜にピッタリ光が届いてよく見える状態です。
そう考えると、いつも度ありのクリアレンズ(光を曲げる)つけてる人が、その上から度なしカラコン(光を曲げない)をつける場合はそこまで見え方が変わらないかもしれません。
逆に度あり同士のレンズを二枚重ねてしまうと、今度は光を曲げすぎてむしろぼやんと見えにくくなってしまう可能性が高いです。度数は強ければいいわけじゃないんですね。
ちなみにこのことを過矯正と言いますが、適当な度数を二枚足すとほぼ間違いなくこの過矯正になってしまいます。
レンズの隙間に汚れがたまって白く濁る
二枚のレンズはピッタリくっついているわけではないので、その間にいろんな汚れ(目の分泌物であったり外から入ってくるゴミであったり)が溜まっていきやすいです。
しかも普通は涙でこの汚れは押し流されていくのですが、レンズの隙間にはさまった汚れは涙で流れ落ちにくく、やがて白く濁り始めるので段々見え方が悪くなってしまいます。一回このようにしてついた汚れはレンズにこびりつくので、洗浄液で洗ってもかなり取れにくいのです。2週間タイプや1ヶ月タイプを使っている人は特にもったいないことになるでしょう。
目の中でレンズが動くせいですごく歪む
一枚目のレンズは目にちゃんと装着されているのでそう簡単にずれたりはしませんが、二枚目のレンズは話が別。レンズ同士のカーブも素材も違うでしょうから、目の中をふらふらと動き回る可能性が高いです。
するとレンズの中心ではなく端っこの見えにくい部分が視界にチラチラ入ってくることになるので、景色が頻繁に歪んだりします。よく見えたり、ぐにゃんと歪んだり、非常に鬱陶しいことこの上ない。
度あり同士ならその影響は特に大きいはずです。
デメリットが大きすぎる
他の解説サイトでもよく言われますが、コンタクトの二枚重ねは見える見えない以前に、かなり目にとってデンジャラス。
二枚重ねとは、そもそもそういった使い方を想定されていないのでかなりのダメージを目に与えます。
例えば、目も呼吸をしているのですが、コンタクトレンズをつけると表面が塞がれるのでその呼吸がしにくくなります。なのでなるべく酸素を通しやすいようコンタクトは設計されている(酸素透過率)のですが、二枚重ねたらその努力が水の泡。カラコンは特に酸素を通しにくい製品が多いのでもっとマズいです。
ためしに厚めのマスクを二枚重ねてちょっと走ってみて下さい。
めっちゃ苦しいですよね?
コンタクトもこれと同じで、二枚重ねたら目が窒息しやすくなってしまうわけですね。
あと二枚重ねた結果レンズの厚みが倍以上になるため、目の内側が傷つく可能性が高くなります。
コンタクトを二枚入れた人の感想でよく聞くのは痛みや異物感ですが、二枚入れて厚みが増したんだから、まばたきするたびにレンズのふちがガリガリこすれて痛くなるに決まってるじゃんというお話。
下手をするとレンズを外した翌日以降も痛くてコンタクトがつけられなくなるので、やっぱり二枚重ねはやめておいたほうが良いでしょう。
度ありのカラコンが一番オススメ
というわけで、ここは度ありのカラコンを使うのが一番いいんじゃないでしょうか。
最近は度ありカラコンも安く手に入るようになりましたし、というか同じ製品であれば度なしと度ありの値段は一緒のことがほとんどです。
かなり目が悪い人でも大丈夫
たまに聞くのが「私は目がすごい悪いからつけられるカラコンない…」という悩み。
たしかに製作範囲としては、クリアレンズよりカラコンのほうが狭いのは確かです。
しかしそれでも多くのメーカーはそれなりに強い度数まで用意してくれているので調べてみるのをオススメいたします。
ではどれくらいまであるかというと、少なくとも-8.00Dまでは作られていることが多いですね。
それより強くなるとやや選択肢が狭まるのですが、それでも強度数カラコンは結構あってPIAのカラコンは大体-10.00Dまでですし、アイコフレシリーズならなんと-12.00D!
ここまでくればほとんどの人にとって充分な度数と言えるでしょう。
乱視ある人は乱視用コンタクトじゃなきゃいけない?
「クリアコンタクトで乱視用を使っているから、乱視用があんまりないカラコンがつけられない」というのもよくある勘違い。
実は乱視のある人は必ず乱視用でなければならないなんてことはなく、通常の球面度数のみのレンズでも視力を出すことが可能です。乱視は特定の方向に二重にぼやける状態ですが、乱視を入れる代わりに球面度数をすこし強めに入れることで似たような見え方にできるのです。
どれくらい足せば良いかは判断が難しいのでできれば眼科で検査するのがベストですが、ムリヤリ答えるなら乱視度数の半分前後を球面度数に足してみましょう。乱視度数が-0.75Dなら、球面度数を代わりに+0.25D~0.50D上げるイメージです。
ただし、人によっては乱視矯正をしていないとぼやけが強すぎて視力が出にくい場合もあります。乱視度数がかなり強いと乱視を抜いた時に違和感が強いでしょうから、その場合は乱視用コンタクトを探してみましょう。
種類が少なめとはいえ最近増え始めてきてもいるので、お気に入りのカラーが見つけやすくなっているはず。少なくともコンタクトの二枚重ねを強行するよりははるかにマシです。
余ったレンズの活用法
コンタクトの二枚重ねをしてしまう理由に、今手元にあるレンズをうまく活用できないかという意識があるようです。
たしかに度数が低くて見えにくいレンズだったり、目が悪いのに度なしレンズがあっても困ってしまいますよね。
でもさすがに二枚重ねるのはNGなので、活用法を考えてみます。
度が低いレンズは室内用にする
度が進んでしまった場合、前まで使っていたレンズは弱くて少し見えにくくなってしまうかもしれません。
しかしこれは全く使えなくなったわけではなく、室内用レンズとして活用することが可能です。
遠くが見にくくなったとしても、室内であればそこまで強い度数でなくともさほど不便はなくなります。さらに度が弱いほうが本を読んだりスマホを見たりする時に、目の調節力をあまり使わずに済むので目が楽に過ごせるのです。
むしろ外用と室内用で二種類の度数を使い分けている人も多いくらいですから、捨てずに使い分けをしてみましょう。
友だちと交換
どうにもならないのは度なしのカラコンでしょうか。
間違って買ってしまったりとか、意図せずたまたまどこかから手に入ったという形が多いかと思います。
自分で使う場合は上に眼鏡をかけるとかいう本末転倒な使い方しかないので、これはもう使わずに友達に渡しちゃいましょう。友達も新しい色を試すチャンスにもなりますし、なんなら1箱あげる代わりにあなたの度数で1箱買ってもらってトレードとか…。
あ、あとは度なしで発色を試してみて、気に入ったら度ありを買う参考にするとかですかね。
まとめ
コンタクトの二枚重ねを行っている人の多くは、しばらくすると目の痛みが発生してコンタクト装用を中止する羽目になります。見え方としても悪い影響のほうが多く、やはり全くオススメできるものではないです。
手元に余ったレンズがもったいなくても強引に使うようなことはせず、度入りのカラコンにシフトしていくようにして下さい。