『KUMORI291』は扱いやすさがこれまでと段違いの曇り止めレンズ!

今回は、HOYAから最近発売の曇り止めコーティングが施されたKUMORI291というレンズがなかなかの性能をしていたのでご紹介しましょう!

マスクは相変わらず手放せないですから、メガネ族の皆さんはレンズが曇らないように対処をしている人も多いんじゃないでしょうか。
でも今までの曇り止めって、結構扱いにくい部分があると思いませんでしたか?

  • 思っていたより曇りを防いでくれない
  • レンズを拭く時にざらざらして拭きにくい
  • 頻繁にお手入れが必要でめんどくさい
  • ジェルタイプだと表面がべたついてゴミがくっつく

既存の防曇コーティングや曇り止め効果つきクリーナーなどではこういった要因があるため、使ってはいるけれどどうしても性能に不満が残りがち。

しかしKUMORI291はこのへんの問題がわりと解決されているので非常にオススメです。

今の曇り止めに満足していない人、これから曇り止めつき眼鏡を探そうとしている人は、今回の新製品の特徴と扱い方をぜひチェックしていって下さいね!

 

KUMORI291はこんなにも扱いやすい

レンズスペックと特徴

KUMORI291の仕組みとしては、このようにレンズ表面がスポンジ面のようになっていて、呼気や水蒸気の水分を含むとレンズ面が水の膜を張ったようになることで曇りを防ぎます。

なぜそうなるかは雨の日の車のフロントガラスがイメージしやすいかもしれません。
窓ガラスに雨粒が細かく点々とついている時は景色が非常に見にくいですが、それがもっと濡れていって全体が一様に水の膜に覆われるくらいになるとむしろ見やすくなったりしませんか?
眼鏡レンズもこれと同じで、呼吸などで微細な水分が点々とレンズにくっついてしまうために曇りが発生して見えにくくなりますが、KUMORI291であればスポンジ面がその水滴の発生を抑制してくれるんですね。

 

KUMORI291はHOYA製のレンズであれば、単焦点レンズでも遠近両用レンズでも取り付け可能。
屈折率は1.601.67に対応。遠近両用のグレードはスタンダードタイプのジェネラックスHGからハイグレードタイプのウェルナまで幅広く利用することが出来るため、どんな人にも利用可能であると言えます。

価格も調べてみましたが、通常レンズ価格にプラスして3000円くらいというお店が多いようですね。
耐用期間は2年間。短く感じる人もいるかもしれませんが、この値段この扱いやすさで考えればむしろ十分だと思います。買い換えのコストとしては少ない部類ですし、そもそも眼鏡は数年おきに更新することが多いですので。

どこで売っているかについてですが、HOYAレンズを扱っているお店ならわりと買えるのではないでしょうか?
JINSやzoffなどは自社製レンズメインなのでおいてはいないと思います。

 

日常シーンではほぼ曇ることがなくなる

さてまずはこのKUMORI291がどの程度曇らないかということですが、公式では【くもり低減効果は通常レンズの約3倍】と謳っていますね。
この3倍とはどのくらいかというと、普段の生活で訪れる「くもりポイント」ではほとんど困ることがなくなるくらい。

 

くもりポイントとは、
マスクのせいでくもる
寒い外から室内に入った瞬間にくもる
温かいお茶を飲んだりラーメンを食べている時にくもる

こんな感じの頻繁に起こる上になってしまうとかなり煩わしい状況を解決してくれます。


お店にデモレンズがあったら試してみてほしいのですが、ホントにこれくらい差が出ます。

まあ湿度が高すぎたりすると絶対に100%曇らないわけではないのですが、それでも曇る量は少ないですし、仮にそうなってもすぐさまサーッと曇りが取れていきます。普通のレンズみたいに真っ白になってそれがなかなか消えてくれないということはないので安心してください。

表面の摩擦が少なく拭きやすい

KUMORI291は表面のざらつきをほとんど感じずかなり拭きやすいのも今までにない特長と言えます。

今までの防曇コーティングは、その性質上表面に撥水コーティングがつけられないため(撥水は水分を弾いて水滴になりやすいのでむしろ曇る)表面がざらざらして滑りが悪いデメリットがありました。
メガネクロスで拭く時も摩擦が大きいのでいちいちひっかかって非常に拭きづらいことこの上なく、クリーニングを頼まれたときに撥水コーティングがついてないレンズは触った瞬間に一発でわかるくらい違いがあります。

KUMORI291であればくっついたホコリやチリもさっと取れるため、曇り止めレンズ特有のストレスがかなり低減されそうです。社内アンケートでも拭き取りやすさを感じる人が92%だそうですから、その差は歴然ですね。

定期的なメンテナンスが必要なし!

もうひとつ大きなメリットとして、従来コーティングであった一定期間ごとにレンズに付属する専用クロスや専用曇り止め剤を塗りつけて効果を保つ、といった作業が不要である点も見逃せません。

このメンテナンスは人によっては1週間から数日以内に繰り返す必要があり相当面倒だったので、この作業から開放されるのは非常に大きいです。
特にコーティングではなく市販の曇り止めだけで行う場合は、効果時間は大抵24時間。つまり毎日曇り止めを塗りつける必要があったわけで、まあそんなのやってられないよって人も多かったんじゃないでしょうか。

付属品を使い切ったりなくしてしまったりすると取り寄せをしなければならない為、そもそもの必要がないのはアドバンテージと言えます。

 

KUMORI291でも残るデメリット

ここまでKUMORI291で改善したポイントを紹介してきましたが、あくまでも防曇コーティングであるためどうしてもデメリットがいくつか残ってしまいます。

反射がかなり強め

実際に作ってみて最も気になったのは反射色が強いこと

表面に反射防止コートがないので、無色のサングラスのごとくぎらぎらと白く光を反射します。眼鏡屋に行けばサンプルがあると思うので確認できますが、度を入れて眼鏡にするとさらに反射が強烈に感じました。度なしのサンプルより度ありの凹レンズのほうが光が屈折して強く光るような印象ですね。
もともと防曇コーティングは反射しやすく、道行く人がこのコーティングをつけているとあーこの人曇り止めレンズ使ってるなーというのがスグわかります。なので見た目を気にする人は買う前に反射の度合いを念入りに確認しておきましょう。

また、レンズの裏映りも通常よりは起こりやすいことも気にしておいたほうがよいかもしれません。日中は大して気にならないでしょうが、例えば運転する時間が長い人は夕陽が横から入ってきたり夜中のヘッドライトが反射したりする機会も多いので要注意です。

ちなみにカラーを入れると反射がやや抑えられるのでおすすめだとHOYAの営業さんが言っていました。10%や15%くらいの薄めフルカラーがバランスとしては良いようです。

キズがつきやすい

スポンジ形状でイメージできるかもしれませんが、KUMORI291は少しばかり傷がつきやすいレンズとなっています。

とはいえ少し擦っただけで擦過だらけになったりするわけではないので過度な心配は無用。さしあたって3ヶ月ほど使ったレンズを確認してみましたが目立った傷は見当たらなかったですね。レンズが滑らかに拭きやすいため、通常レンズと比べて神経質に気にするほどの差はないのではないかと思っています。

コーティングが限られる

KUMORI291のような防曇コーティングはコーティング全体から見るとやや特殊な設計をしているため、他のコーティングと併用するのが難しい一面があります。

反射防止撥水キズ防止がつけられないのは当然で、その他にも

ブルーライトカット
近赤外線カット(SCIR)
裏面UVカット
抗菌コート

などを入れることができません。
出来るのはアリアーテカラーでの染色と『クリアカット420』や『レイガード435』などの高エネルギーの太陽光線を遮断するコーティングのみ。この2つは便宜上ブルーライトカットと呼ばれることもありますが、パソコンスマホなどから出るデジタルブルーライトとはカットする波長がやや異なることに留意すべきです。

 

KUMORI291のお手入れ方法

曇り効果を保つためのメンテナンスは不要ですが、単純に汚れたりホコリがついたら掃除する必要があるのは普通のレンズと同じ。

そしてそのクリーニング方法についても注意点があります。

まず、防曇成分が変質したり流れ落ちてしまうため、メガネのシャンプーやプラクリーンなどの洗浄用クリーナー使用が✕です。やらないとは思いますが次亜塩素酸成分もアウト
KUMORI291のクリーニングでアリなのは、①水洗い②薄めた中性洗剤③エタノールあたりになるので覚えておくと良いでしょう。

また超音波洗浄機もコーティングへのダメージになりやすいため、使用は1分以内に留めておくのが良さそうです。