コンタクトで0.25違うと見え方はどれくらい変わる?変えた場合の影響を解説

コンタクトレンズ(眼鏡もですが)の度数の最小単位は0.25となっています。
今使っているレンズが仮に-2.00Dならば、

度数を一段階上げると-2.25D。
度数を一段階下げると-1.75D

となりますよね。
では、この0.25という度数差は実際の見え方にどれほど影響してくるものなのでしょうか。

 

  1. 今の度数だと少し見えにくいから度数を上げることを検討している
  2. 上げるのは0.25で充分?もっと上げたほうがいい?
  3. いつもの度数がない場合、勝手に0.25変えてつけても大丈夫?
  4. 眼科処方で0.25度数が下がっていた!こんなことある?

この記事ではこういった疑問を解消していきたいと思います。

何らかの理由で度数の変更を考えているけれど、違う度数に変えることに不安がある人はぜひ最後まで読んでいってくださいね。

 

度数を0.25上げたら実際見え方の違いはどんなもの?

まず大前提として、度数を変えたときの視力の変化には個人差があります。
少し上げただけでは大して変わらない人も、逆に劇的に変化する人もいます。それを踏まえた上でおおよそこういった傾向がありますよ、というお話をしていきましょう。

こちらの表を御覧ください。

裸眼視力度数(眼鏡)度数(CL)
0.8-0.50~0.75-0.50~0.75
0.5-1.00~1.50-1.00~1.50
0.3-1.50~2.00-1.50~2.00
0.1-2.25~3.00-2.25~3.00
0.08-3.00~4.00-3.00~4.00
0.06-4.00~5.00-4.00~4.75
0.04-5.00~7.00-4.75~6.50
0.02-7.00~9.00-6.50~8.00
0.02以下-9.00以上-8.00以上

出典:メガネの科学21-屈折測定理論

これは遠方視力と眼鏡度数の関係性をあらわしたものにCL度数を加えた表です。
裸眼視力がこの辺りだと度数はこれくらいになるよーという目安を表しています。まああくまで目安であって調査によって数値は変わってくるのですが、注目してほしいのは裸眼視力が悪いほど必要度数の上がり幅が大きくなること。

つまり、

度数が弱い人は少しの度数の変化でも視力が改善し
度数が強い人ほど多めに度数を変えないと見え方が良くならない

ということを示しています。
見え方を改善したかったら低度数(-4.00D以下)なら0.25ずつ、高度数(-6.00D以上)なら0.50ずつ変えていくのがオススメ、というのがよく言われますね。その間の中度数は人によってバラつくので試してみるしかないです。

 

必要度数が低いほど変化が顕著なので、

①視力0.7の人が度数を0.25D上げると0.8~1.0見えるようになった
②視力0.2の人が度数を0.25D上げると0.3見えるようになった

こんな感じがよくあるパターンでしょうか。
①の人は「視界がくっきりする、大分変わった」と答える人が多く、②の人は「そこまでは変わらないが、良くなったような気もする」という感想が返ってくることが多いイメージです。

 

②に近いもしくはそれ以下の視力の人は0.25程度の変化ではそこまでの見え方の差を感じられないようです。コンタクトレンズが-6.00Dから0.50刻みしかないのはこの辺りが理由なんですね。

 

自分で勝手に0.25上げても問題はない?

これに関しては、こちらの記事で取り上げていますので詳しく知りたい人は読んでみてください。

合わせて読みたい

コンタクトレンズを使っていると、同じ度数では段々見にくくなってくることがあります。仕方ないとはいえ、目が悪くなったのかとガックリきますよね。 こうなると使用中のコンタクトの度数を上げる必要が出てくるわけですが、どんな風に上げていくのが[…]

 

カンタンにお答えすると、トラブルが起きる可能性がなくはないですが致命的な問題になるほどではないと思われます。基本的には処方箋を取ってほしいのですが、結構ご自身で度数を変えたレンズをつけて問題なく過ごされている人も多いのが現状と言えるでしょう。

 

決してオススメはしませんが、諸々の事情でどうしても検眼をしたくない人もいるのは承知しています。
リンク先ではその方たちに向けて自分で変えた場合のリスクをメインに解説をしています。ご自身で変える場合はせめて知っていてほしいことと、異常を感じたらすぐに眼科にかかるというのを守って行動してくださいね。

 

逆に度数を下げたほうがいい場合もある

コンタクトをしていて見え方が悪くなったと感じた際、いつも必ず度数を上げたほうが見え方が良くなるとは限りません。

処方箋を出してもらったとき稀にそれまでより度数が下がって処方されることがありますが、その原因は大まかに次の2パターンが考えられます。

過矯正

眼鏡のレンズは、外から入ってくる光を曲げて目の奥の網膜にピッタリ合わせることで視力を改善させる仕組みとなっています。

『ピッタリ合う=最もよく見える』なのですが、人のよってはこの最もよく見える状態(完全矯正値)でも充分な視力が出ない場合があります。屈折異常以外の原因で理由は様々なので割愛しますが、完全矯正値を越えて度数を無制限に上げていっても、今度はピッタリ合う位置から逆方向にズレていってしまうためむしろ視力が悪化してしまうのです。

そして人は年月が経つごとに目の状態が変わっていくため、今つけているコンタクトレンズの度数が当時はちょうどよかったが、今は目が変化して度数が強すぎる状態になってしまっていることも有り得ます。
これを過矯正といい、この場合は度数を下げることで視力を改善させるカタチになるわけですね。

手元を楽に見るためにワザと落とした

人は近くを見る時に、目の中の水晶体を毛様体筋肉で引っ張って調節力を効かせることで手元にピントを合わせます。

この筋肉の動きは視力が良い人ほど大きく必要になるため、遠くがよく見える度数のコンタクトを付けていると逆に近くを見るのに苦労するという、二律背反とはちょっと違いますが相容れない状態になってしまうんですね。

特に40~50代になると、今までと同じようにしっかり遠くを見えるように度数を入れていると手元のボヤけを感じて老眼の進行に気付くという人が増えてきます。この時に0.25でも落としてあげるとそれなりに近くが見やすくなるため、手元の見え方を考える場合は0.25はそれなりに大きい度数であると言えます。

遠近両用コンタクトレンズを使っている場合でも、手元を見るための加入度数は+0.75>+1.50>+2.25などのように飛ばし飛ばしの度数しか制作されていません。それ以上の微妙な調整を行いたいなら、通常の度数のほうで0.25ずつ弱めていく手段を採ったほうが良いでしょう。

 

欲しい度数が売り切れていたらどうしよう?

主にカラコンユーザーあるあるがこちら。
カラーコンタクトはショップの在庫数が少ないため、頻繁に売り切れという事態に遭遇します。カラコンを買いに行ったらほしい度数だけ売り切れていて仕方なく違う色もしくは度数を変えて購入したという経験、ユーザーなら一度はあるんじゃないでしょうか。

この時に頭をよぎる疑問として(色は変えたくないとして)、もし別の度数にする場合「上げたほうがいいのか?下げたほうがいいのか?」というものがあります。
もともとの度数で見え方に問題がない場合は困ってしまいますよね。

 

お答えすると、基本的には0.25下げて対応してください

説明すると、度数を変えた場合に困ることとして 見えにくくなる 長時間つけると疲れるようになる の2つがあります。
このうち①は別に1段階くらい度数を下げてもそこまで感じることは少ないです。
しかしそれに比べ、度数を上げた時には比較的②が起こりやすく目の調子を悪くしてしまいがち。

よって特段の事情がない場合は0.25下げてあげたほうがトラブルは起こりづらいという認識でいて下さい。

ちなみに下げるときは両目とも一緒に下げましょう。
もとの度数が1枚残っているから片方はそっちをつけるという人もいますが、左右差が崩れて両眼視のバランスが悪くなった結果見え方がおかしくなることがあるからですね。ガチャ目の場合は最初から左右差がある状態に慣れているためその限りではありませんが、できれば1枚残っているレンズは取っておいて後日その度数を買い足した後で利用してもらうのがベストです。

 

まとめ

最近コンタクトもすっかり買いやすくなった影響か、眼科処方に頼らず自分の度数を決めていく人が増えてきた印象です。お店でも聞かれることがちょくちょくありますし、このサイトに辿り着いた方の検索履歴を見てもその傾向は強くなっているようです。

なので今回その点にスポットを当てた記事を書いてみました。
あくまで自己責任でという前置きはどうしても必要になってしまいますが、どうしても自分で判断したいという人が少しでも目の健康を害さないように参考になれば幸いです。