どうしても面倒臭い人向け、コンタクトのお手入れ優先度!

2weekや1month、長期タイプのハードレンズなど、価格が安いのはいいのですが、やはりお手入れが面倒ですよね。

家に帰って、コンタクトを外して、洗浄して、殺菌して、つけおきして…。

もちろん全て大事な行程なのはわかっている。でもどうしても面倒臭くて、レンズのケアは適当になってしまう。
ちゃんとやらなければと思うほどやりたくなくなって、結局なにもしないまま寝落ちしてしまう。

そしてそんなことを続けた結果、角膜が荒れ果ててコンタクトもつけられず眼鏡でもモノがよく見えなくなってしまった、という悩みを抱えた人を何人も見てきました。

そうならないため、この記事ではレンズケアに優先度をつけています。

人はすべてやろうと思うより、まずひとつでもと思う方が行動を起こせるものです。
そこから始めて徐々に増やしていければ、将来的に目を守ることにつながるでしょう。

 

基本はぜんぶやろう

改めて断っておきますが、次に挙がっている項目は安全にコンタクトレンズを使用するためには必要な項目です。可能ならすべておこなってほしい
でもこの記事はそんなことやってられない人のためのページですので、あえて何もかもを推奨はしていません。

代わりに優先順位とそれぞれの必須度を示しておきます。

習慣に出来そうなのはどれかとか。
毎日はムリでもやれる時はやっておく項目を決めるとか。
今全然出来てないなら優先度の高いものをひとつでも増やしてみるとか。

そんなふうに利用してもらえれば良いと思います。

 

コンタクトケア優先度

寝る前にレンズを外す
(優先度★★★★★)

コンタクトを外す

これだけは絶対に行うようにして下さい。

他と比べても危険度が段違いです。
レンズを装着したまま寝てしまうことには多くのリスクがあります。

●レンズに覆われて眼球が呼吸できない時間が一晩中続く
●酸素不足により角膜内皮細胞が傷つき、角膜が白く濁ってしまう。そして傷ついた角膜細胞は二度と再生しない
●睡眠中は涙が出ないのでレンズに水分を吸われて目が乾燥してしまう
●レンズが乾いて貼り付き、朝起きた時に取り外せなくなってしまう
●角膜細胞が傷つくことにより感染症にかかりやすくなったり、将来白内障の手術が行えなくなる可能性がある

など受けるダメージが甚大です。

眠くても、どんなに疲れていても、フラれて何もやる気の起きない日でも、コンタクトレンズだけは外して下さいね。

 

違和感があったらすぐ対処する
(優先度★★★★★)

目に違和感を感じる男性

実は重要度が高いのがコレ。

これが二番目に来る理由は、他の項目を総括しているからです。
レンズの状態が悪くなる理由は様々で、洗浄不足だったり、古くなりすぎたり、管理が雑だったりです。しかしいずれも問題のあるレベルまでくると、装着時に違和感を感じるようになります。
人の感覚は鋭いもので、普段とは違う状態には気付くことができるのです。

だから何かおかしいと思ったなら、すぐに原因を取り除くことで決定的な被害を被るのを防ぐことができます。
つけてて異常を感じるレンズはもったいなくてもすぐ交換して下さい。
たびたび同じ状態になるようなら、最低限必要な手入れが出来ていないか、そもそもそのレンズと相性が悪い可能性があります。

人は面倒を意識的にしろ無意識にしろ避ける傾向があります。
歯が痛いのを放置しがちな人、車や機械から異音がしても怖くて触れないような人は特に注意しましょう。

 

洗浄・殺菌
(優先度★★★★☆)

これは言わずもがなですね。
コンタクトレンズは人体外部の最もデリケートな場所に触れています。つまり雑菌が触れるのを一番気をつけなければいけない場所ということです。
洗浄や殺菌が足りなければ雑菌繁殖の温床になりますから、当然やるべきケアと言えるでしょう。

ただ強いて言うなら、多少手を抜く余地がないこともない部分でもあります。
洗い方について調べると、隙のない丁寧なやり方が解説されていますよね。手のひらに洗浄液をためて残った手の2本指で~というやつです。

誤解を恐れずに言うと、正直そこまで神経質ならなくても良いと思います。
常に100%でなくともそれなりに効果はありますし、片手でささっとこすってさっさと保存液に放り込む日があってもいいと思うのです。

手を抜く日を作ることで、ちゃんとやる日も確保する。
やろうと思ってやれないくらいなら、やれる時にやるくらいで気楽に構えていましょう。
サボりすぎたと思ったら、すぐに交換してしまえばいいのです。

 

レンズを復活させて使用しない
(優先度★★★★☆)

水をかける

これは保存液に入れ忘れたり設定期間以上に使いすぎてレンズがカピカピに乾燥してしまった時、水分に浸けることで元に戻すという荒業。干し椎茸か。

知らない人は知らないけど、使う人はとことん利用しているようです。
一見上手く戻ったように見えますが、実は乾燥時に縮んで小さなヒビが入ったり表面に傷がついてしまうことが多い危険なワザ。

また精密に作られているものなので、こんな過酷な環境にさらすとズレが発生します。ベースカーブが歪んだり、視力が上手く出なくなるということが起こり得ます。

なので緊急事態出ない限り、水で戻すのはお勧めいたしません。

 

長時間の装用
(優先度★★★☆☆)

コンタクトを長時間つけてしょぼしょぼした女性

意識しない人が多いですが、結構注意してほしいポイントです。

コンタクトレンズは大なり小なり目の呼吸を妨げているので、可能な限りつける時間を短くするべきです。そのために装用時間が設定されているのですが、少しくらいならいいかとオーバーしてしまいがち。
目の抵抗力が弱まったり充血したりドライアイになった人は特に気をつけてください。

とは言っても仕事拘束時間がヤバい人も多いようですから、ある程度は仕方ないと言えます。

装用12時間までと言われたって、15時間家にいない人はどうすりゃいいんだと。
休憩時間は外して中休みを作るとか、せめて途中で新しいレンズに替えて乾燥を最低限にするとか、ブラック会社を転職するとか。

お互い頑張りましょう。

 

水道水で洗わない
(優先度★★★☆☆)

水道水の蛇口

アカントアメーバはご存知でしょうか。
多くの日本の水道水に含まれていて、飲み込んだ場合は基本無害ですが目に入った時に重大な障害を引き起こすことが確認されています
レンズを水道水で洗う→レンズを保管したケース内で繁殖する→再度レンズに大量に付着して眼球に侵入する、というルートを辿ります。

抗菌薬が効きづらく、発見もしにくいという厄介さもあるので、確率は高くないとはいえ油断は禁物です。ズボラな人ほどかかりやすい病気だと思って下さい。
やはり洗浄は専用の液で行うのがベストでしょう。水道水を使うとしてもたまにに留めておくのが良さそうです。

ちなみにそれくらい大したことないよと思った人は、アカントアメーバで検索して出てくる目の写真をご覧下さい。真面目に洗浄する気になること請け合いです。

 

カラコンの使い回し
(優先度★★★☆☆)

コンタクトも共有する二人

最近の若い子達はスゴイことしますね。

なんでもお互いに使ったカラコンなどを貸し借りして再利用するんだとか。
正気か君ら

と昭和生まれとしては考えてしまうのですが、案外平然と行われているようでビックリしてしまいます。
まあたしかにコンタクトは決して安くはない買い物ですからね。リサイクルが広まった世代としてはコンタクトもその対象なのでしょう。

危険性としては中度かなと思います。
要はお互いが持ち合わせている雑菌のトレードが行われているわけで、ある意味感染リスクが二倍になったと言えます。
ただ、それぞれの殺菌や管理がしっかりしているなら、そのリスクもそれなりに抑えることが叶っているのかもしれません。

やめて欲しいことには違いないのですが、なけなしのお小遣いで健気に利用している子もいるので、なんとも複雑な心境になる案件でもあります。

 

洗浄前の手洗い
(優先度★★☆☆☆)

レンズを外す前に、ちゃんと手を洗っていますか?

見る限りその人口は多くないようです。
店舗で視力検査をする際にコンタクトを外してもらうのですが、洗うどころか手も拭かずいきなりレンズを外そうとするので慌ててウェットシートを渡すという光景は日常茶飯事です。

手、特に指先は一番外部に触れる機会が多い場所です。
当然あちこちの菌や汚れをかき集めているようなものなので、手洗いは必要な作業と言えます。その後に洗浄殺菌が控えているので、そこまで重大事項とは言えないかもしれませんが…。

しかし最近はウィルスが流行したおかげで手洗い習慣が根付いてきたのは怪我の功名かもしれませんね。

 

使用期間を無視しない
(優先度★★☆☆☆)

タイムリミット

コンタクトレンズの箱には、必ず使用期限が書いてあります。
意外と見落とされやすい場所で、レンズの期限を聞かれて記載箇所を見せるとそんなところに!みたいな反応がよく返ってきます。

これはつまり安全に使用できるのはここまでだよー、ということを示しているので、基本的にはこの期限を過ぎたレンズの使用は推奨されません
ただ日本の企業というのは安全マージンをものすごくとる文化があるので、多少期限を過ぎたぐらいでは大して問題がないことが多いです。
もし使うならレンズを開けた時に異常が見られないかを必ずチェックして下さい。

ちなみに、万が一残り期限が1年を大幅に切るようなレンズを売りつけてきたお店があったら要注意です。管理が相当ずさんな可能性があります。
速攻で手を切りましょう。たとえどんなに安くとも。

 

保存液につけてしまう
(優先度★★☆☆☆)

あれ、こんな位置!?と思った方、その疑問はもっともです。

レンズは外したら保存液につけないとカラカラに乾いて使い物にならなくなってしまいます。だからもちろん、外したら液につけるようにしましょう。

…ただ、直接健康被害につながる訳では無いのでこの位置になりました。
なにせ使い物にならなくなったら捨てればいいだけなので。
体力の限界なら最悪外したレンズを放置したっていいのです。この場合ダメージを受けるのは目ではなくお財布のほうです。

その代わり6コ上の項目で書いてあるとおり、生き返らせて喜んだりしちゃダメですよ。

 

保管環境に気をつける
(優先度★☆☆☆☆)

過酷な灼熱環境

最後はこれでしょうか。
保管環境とは、つまり高温や低温に晒しては行けませんよということですね。

強い日射の窓際とかストーブのそばとか真夏の車内に放置しないように気をつけるだけで大丈夫です。つまりよほどの場所でない限りはそこまで気にしなくても問題ありません。
しっかり保存液の入ったケースに入れておけば大丈夫です。

低温も避けるべきとありますが、冷蔵の温度くらいでしたら大した影響はなさそうです。夏場は冷蔵庫に入れておく人もいるらしいと聞きます。
家庭内に限れば、冷凍したらアウトだからやらないようにしましょうってくらいですね。そんな人います?

よって優先度は最下位と致しました。

 

思い切ってワンデータイプに変える、併用する

ここまで書いてきて結論はそれか!となりそうですが、改めて見ると悪くない選択肢なのが1日使い捨てレンズ。

単純に商品単体の値段で比べると、ワンデーのほうが高くつきます。
でもよく考えると、洗浄液やレンズケースなどのケア用品も足すと合計金額はそこまで大きく変わるわけではないんですよね。
他にもお手入れにかかる時間や洗浄時に気を遣う時間的精神的コスト、後はお手入れを面倒くさがった結果発生する目の障害で将来的に治療費がかかる可能性を考えてみて下さい。
トータルコストとして見ると、ワンデーもありだと思えるのではないでしょうか。

なので、ここは併用を検討してみてください。
泊まりになるかもしれない日や、帰りが遅くなることが最初からわかっている場合などでワンデーを使用するのです。
そうすれば帰宅後に行うのは目からレンズを外すことだけ。
それさえしてしまえばあとは布団にダイブして問題ありません。

旅行でも都合が良いのはワンデーのほうかもしれません。旅先の旅館やホテルで充分な洗浄環境を確保できない場合が度々あるからです。
ケア用品を持ち込まなくていいので荷物が少なくて済むのも見逃せない部分です。

ワンデーコンタクトではなく眼鏡とするのも当然効果的です。

 

まとめ

いかがでしたか。
これを読んで少しは気が楽になってもらえれば幸いです。

しかし最大の目的はサボりと危険を減らせるようになることですので、それは忘れないでください。
いつまでも健康な目でいられるように、面倒ともうまいこと付き合っていきましょう。