眼鏡のテンプルが短いと全てが台無しに!最優先でチェックしよう

眼鏡を買う時、鏡を見て似合ってるかどうかをチェックしますよね。

形、色、サイズ感、すべてバッチリ。超似合ってる。よしじゃあこれにしようか。

 

…と思ったそこのあなた!
その眼鏡のテンプルの長さは大丈夫ですか?

テンプルが短かったり、逆に長すぎたりしてませんか?

テンプルとは眼鏡の耳に引っ掛ける側面パーツのことを指します。レンズの大きさやフレーム全体的の形など、主に正面や斜めヨコからの見え方のサイズやバランスをチェックする人は多いですが、テンプルが耳にどうかかっているかをチェックしている人は少ない気がします。

髪の毛に隠れることが多くそこまで重要と感じないかもしれませんが、実はこのテンプルの長さが合わないと、耳が痛くなったり頭痛が起きたりと最悪その眼鏡をかけることすら出来なくなってしまう場合があるのです。

この記事では、あまり意識されないテンプルの長さの重要性を解説していきましょう。
テンプルの長さをしっかり確認しておけば、結局使わなくなってしまいお金を無駄にしてしまったなんて確率が減りますよ!

 

みんな気にしないテンプルの重要性

テンプルが短いと打つ手はかなり限られる

テンプルの長さはテンプル部分の内側に刻印されていることが多いです。


このように50□17 135 となっていたら、順番に50がレンズ径、17がブリッジ幅、最後の135がテンプルの長さですね。
レンズ径とブリッジ幅はリッジ裏に書いてあって、テンプル長だけぽつんとテンプルやモダンに記入してあることもあります。

テンプルが短いと、

  1. テンプルの先のモダン(耳に引っ掛ける部位)が耳に引っかからない。
  2. モダンのなるべく先の方で曲げようにも、先端付近は太くて上手く曲げられない。曲げられたとしても短すぎて押さえが不十分。
  3. 上記の理由から、耳の変な位置にテンプルが当たって痛みが出る。
  4. 耳側の支えが足りないので鼻に重みがかかる。
  5. 眼鏡がすぐにずり落ちてくる。

こういったことが考えられます。

何よりも問題なのは、長さの足りないものを伸ばすのは非常に難しい(外付けの延長モダンがあるにはある)ことです。
眼鏡のかけ具合の不調を、私たち店員はパーツを曲げたり幅を詰めたりして調整することで快適なかけ心地に直していくのですが、本来曲げたい位置に必要なパーツが届いていなかったらそもそも調整のしようがないのです。下手をすればそのままお手上げ。

せいぜいやれるとしたら、先端に申し訳程度の曲がりを作ってかけてもらうか、いっそまっすぐモダンを伸ばして頭を挟み込むように内側にゆるくカーブさせてホールドするくらいでしょうか。
あとはモダンの先っちょにパーツをとりつけて強引に耳にかかるようにするとか。

いずれにせよ本来の状態より安定性は落ちてしまう上にどれも見た目に難がありそうですよね。

 

長ければ良いとも限らない

それじゃあテンプルは長めにしておけば解決するかというと、困ったことにそうとも限りません。
長い場合はテンプルの早い段階で曲げ始めるのですが、あまりにも極端だと単純にユーザビリティが悪化します。

曲がったあとの部分が長くなるので、

  1. かけ外しの際にいちいち耳にモダンがひっかかるため意識してフレームを大きく動かす必要がある
  2. 畳んだ時にした方向にモダンがはみ出して非常にカッコ悪い。なおかつ眼鏡ケースに入らなくなる。
  3. 重心が後ろに移動するため耳の負担が増える。

なので、曲げる位置を変えれば済むという話ではないのです。

 

この前もお顔に対してかなり長めのテンプルを選んでしまったおばあちゃんが、耳が痛くて痛くてどうしようもないとご来店されました。その眼鏡をかけてから頭痛も酷くなり、首周りも突っ張ったようになって肩こりも悪化してしまったそうで、ここでダメならもう諦めて捨てるつもりで来店されたようです。
やはり調整してもなかなか上手くバランスが取れずに苦戦したので、思い切ってテンプルを短くする加工を施すことにしました。

テンプルが長いパターンは、
メタル系ならモダンのプラスチックカバーを外して芯を切り取りカバーをはめ直す
セル系ならテンプルの途中を切り取ってから改めて接合する

などの手段でその人にピッタリ合ったテンプル長にすることが可能です。

結果としてキレイに仕上がり、そのお客さんも痛みと違和感がかなり減ったとの事でしたので、やはり手法としてはとても有効かと思われます。
そこまで費用や時間もかからないですから、まず近くの眼鏡屋さんに受け付けてくれるかを確認すると良いでしょう。

 

試着時にまず自分で確認しよう

自分のサイズがどのあたりかを知っておくと選びやすい

それにしても、こんなに大事なのにテンプルの長さは本当に意外なほど気にされないのが不思議です。
お客さんどころか、眼鏡屋店員でもあまり重視せずに合わないテンプルを勧める有様。

もったいないことにならないよう、大体でいいのでテンプルの長さの目安を知っておいて下さい。

眼鏡テンプルの平均

成人男性140~150
成人女性135~145

大体中央値の男性145女性140くらいと覚えておけば良いでしょう。実際に売られているフレームのデザインもそのあたりが1番多いです。

なのでまずは平均サイズを掛けてみて、モダンのカーブがちゃんと耳に沿っているかを確認して下さい。

位置としては耳の1番上の場所でモダンの曲がりが始まっているのがベストで、曲がり位置が早すぎても遅すぎても上手く耳には乗りません。
合っていないなら、違う長さのテンプルを試してしっくりくるものを探します。まあ多少長さが合わなくらいなら十分調整できるでしょうから、そのフレームデザインが気に入っているなら店員さんに「調整で合わせられますか?」と聞いてみるのもアリでしょう。

また耳の後ろの骨(乳様突起付近)までモダンが届いていると長すぎと感じる人が出てくるはず。まあ長い場合は必ずしも悪さをするとは限らないので、絶対に避けるべきとは言いませんが。

見た目と長さが合わないこともある

眼鏡は見た目のサイズ感とテンプルの長さが必ずしも比例するとは限りません。

例えば、

こちらのバーバリー「BE2308F」は53□18 145。
いかにも平均ど真ん中をいくようなサイズ感ですね。これであれば多くの人がイメージ通りすんなりかけやすいと感じるでしょう。

しかし、


ザックスブルー「SB-7111」はサイズが58□16 141。
レンズ径が58なので横幅は相当大きいフレーム。先程のバーバリーより5mmも大きいですね。
にも関わらずテンプルは141とこちらは4mmダウン少し顔が大きい人なら物足りなくなるテンプル長と言えます。

大抵は正面から見てサイズが大きいフレームはテンプルも長くなることがほとんどなのですが、時々このザックスブルーのように最初に受けるイメージと違う長さを備えているフレームが存在します。
このように、テンプルだけ合ってない問題を誘発しやすいフレームがあることに注意しましょう。

 

まとめ

100人いたら10人くらいは「え、それって耳大丈夫?」と思うようなテンプルのかかりかたをしているイメージです。

もはやその妙なかかり方に慣れてしまっているのでしょう。本人は気にしてないのかもしれませんが、無自覚の不調を起こしている可能性は少なくありません。
眼鏡自体はなかなか手放すことが難しい道具ですから、使うことによるストレスはなるべく減らしていきたいですよね。

購入時の眼鏡のちょっとしたチェックだけで防げることですから、ぜひ皆さんもテンプルの長さを気にしてみてくださいね。